ニュースリリース

2023.07.28
木造建築の可能性を広げ脱炭素に貢献する
木造SDGs戦略「MOCX GREEN PROJECTモクス グリーン プロジェクト
7月28日(金)スタート!
同時に当社木造建築実績の累計炭素固定量が東京ドーム2,162個分の
森林に相当する「約383万t」※1に達したことも発表

三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社⾧:池田 明)では、木造建築による炭素固定を通じた社会貢献を可視化する活動をはじめ、これまでも積極推進していた使用木材の国産化、中大規模建築物の木造化をさらに進めていく、木造SDGsプロジェクト「MOCX GREEN PROJECT(モクスグリーンプロジェクト)」が7月28日(金)よりスタートします。
本プロジェクトでは、2023年4月以降の新たな木造建築による累計炭素固定量を、出荷ベースで木材使用量に基づいた、より正確な炭素固定量を算出し、特設ウェブサイトにて随時発信していきます。
今後はお客様単位(各棟)での炭素固定量を算出・提示していくことも視野に入れ、脱炭素化がより一層「自分ゴト化」されていく社会を目指します。

【「MOCX GREEN PROJECT」について】

① 木造建築による炭素固定量を可視化する取り組み
② 国産材利用推進によるサプライチェーン全体での社会貢献の取り組み
③ 木造技術革新により中大規模建築物の木造化を推進する取り組み

また今回のプロジェクト発足を機に、2023年3月末時点での当社が創業以来これまで手掛けた木造建築において炭素固定量が推定「約383万t(3,831,457トン)」に達したことを発表します。これは東京ドームの延べ面積約2,162個分(スギの木の758万本分)※2の森林が固定する炭素量に相当します。(日本の滅失住宅の平均築後年数38.2年より、1985年3月31日以前に引渡しの物件はすべて滅失しているものと仮定して計算に含めず、1985年4月1日以降に引渡しの物件はすべて現存しているものと仮定して試算)
三井ホームは、鉄骨造や鉄筋コンクリート造が主流であった中大規模建築物まで木造に変えていくことで、木造建築の可能性を広げ、脱炭素に貢献して参ります。

近年では、2021年の「改正木材利用促進法」の施行や、昨年8月の「建築物木材利用促進協定」制度の創設などにより、民間建築物を含めたさらなる木材利用の促進に向けた環境が整備されつつあります。
当社は、サステナビリティブランド「&EARTH with WOOD」を掲げ、今後も環境負荷を低減するサステナブルな循環型資源である「木」を生かし、人と地球環境にやさしい建築物の提供に努め、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

  • ※1-1:国土交通省「令和4年度 住宅経済関連データ」(https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html)日本の滅失住宅の平均築後年数38.2年より、1985年3月31日以前に引渡しの物件はすべて滅失しているものと仮定して計算に含めず、1985年4月1日以降に引渡しの物件はすべて現存しているものと仮定して試算。(2023年3月末時点)
  • ※1-2:林野庁ホームページ「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン」に基づく試算。
    https://www.rinya.maff.go.jp/j/mokusan/mieruka.html(2023年3月末時点)
  • ※2:東京ドームの面積=46,755㎡。スギ人工林1haに750本の立木があると仮定して算出。林野庁ホームページ「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン」炭素貯蔵量計算シートによる換算。

1.「MOCX GREEN PROJECT」概要

プロジェクト名 「MOCX GREEN PROJECT」(モクスグリーンプロジェクト)
*MOCX は「Mitsui Home Original Construction method:三井ホームオリジナルの建築構法」を用いた「木造建築」と「Transformation:トランスフォーメーション」を象徴する符号語。
スタート日 2023年7月28日
背景(目的) 木造建築は、森林と同じように炭素を建物内に⾧期固定することが可能です。例えば三井ホームが建築した木造マンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」(総面積:3738.30㎡)では、スギの木約3,000本分の炭素を固定しています。居住地域において木造建築を増やす取り組みは、まるで森林であるかのように、大気中の炭素が街に固定されるといえます。
このことから、脱炭素社会に向けて企業においてもさまざまな取り組みが求められる中で、三井ホームは本業である木造の建築を通じて、これまで以上に社会に貢献していくべきだと考え、今回のプロジェクトをスタートすることといたしました。
公式 URL https://www.mitsuihome.co.jp/company/mocx_green_project/
内容 「MOCX GREEN PROJECT」では、木造建築に関する様々な取り組みを通じて、社会に貢献していきます。

① 木造建築による炭素固定量可視化する取り組み
林野庁の「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン」に基づき、三井ホームがこれまで手掛けた木造建築における炭素固定量を推定しました。今後は、出荷ベースでの木材使用量に基づいて、より正確な炭素固定量を算出し、随時報告し続けていきます。
https://www.rinya.maff.go.jp/j/mokusan/mieruka.html

② 国産材利用推進によるサプライチェーン全体での社会貢献の取り組み
今後国産材の積極活用を推進していくために、2022年には北海道との建築物木材利用促進協定を締結し国産化を加速化したことをはじめ、その他エリアもバランスよく全国各地からの木材調達を行っていきます。国産木材の利用促進は、2050年脱炭素社会の実現に寄与するとともに、林業の成⾧産業化及び地方創生へ貢献します。

③ 木造技術革新により中大規模建築物の木造化を推進する取り組み
当社が手がける脱炭素社会に向けたサステナブル木造マンション「MOCXION(モクシオン)」など、磨いてきた木造技術を活かして、中大規模建築物を中心に木造化を推進することで、大幅なCO2削減に貢献していきます

2. 木造建築のメリット

・木は⾧期間炭素を固定化
「木」は生⾧過程で CO2 を吸収し、伐採後も炭素を固定化し続けるため、木造建築は⾧期間炭素を大気に戻さない事に加え、伐採地に植林されることで CO2 吸収力は回復され、地球温暖化防止に貢献します。

・サステナブルな循環型資源
木は、適切な森林管理によって持続的に再生産が可能な資源です。植林・伐採・木材生産・建築・解体・焼却・再利用のサイクルを通じてこれからの時代に求められるサステナビリティ(持続性)の実現を目指します。

・建築時のCO2排出量削減
木造建築は、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造の建築に比べて、資材の製造時や加工時に必要なエネルギーが少なく、建設時のCO2排出量の大幅な削減を可能にします。

出典:CASBEE評価に基づく林野庁試算 試算条件:床面積 120㎡住宅の場合

・木の断熱性
木は、鉄やコンクリートに比べて熱伝導率が低く、断熱性が高い素材です。外気の侵入を防ぎ、快適な室内の温度を逃さないことは、健康的で快適な暮らしに不可欠な性能です。

出典:「住宅の省エネルギー基準の解説」平成21年度版 〈(財)建築環境・省エネルギー機構〉をもとに試算

3. 当社のこれまでの脱炭素に貢献する取り組み

当社はこれまで、以下に紹介するような国産材利用促進、中大規模建築物の木造化に取り組んできた実績があります。このたびの「MOCX GREEN PROJECT」を推進することにより、これまでの脱炭素に貢献する取り組みをより一層加速してまいります。

① 国産材利用促進
<ツーバイフォー建築における国産木材活用協議会>
2022年11月、当社が設立発起人の一社となり、「ツーバイフォー建築における国産木材活用協議会」を設立いたしました。ツーバイフォー建築において、国産木材の利用の推進を図ることにより、林業における川上から川下までの異業種メンバーの連携による持続可能なサプライチェーンを構築し、林業の成⾧産業化及び地方創生へ貢献することを目的としています。

<北海道、北海道森林組合連合会、北海道木材産業協同組合連合会と建築物木材利用促進協定を締結>
2021年10月、木材利用促進に関する法改正により、「建築物木材利用促進協定」制度が創設されました。これにいち早く対応し、三井不動産、三井不動産レジデンシャル株式会社と当社は、2022年10月31日、北海道等と建築物木材利用促進協定を締結しました。当社グループは今後建設予定の建築物において、北海道産木材の利用に努め、林業とその関連産業の活性化による地方創生の実現に貢献しています。
https://www.mitsuihome.co.jp/company/news/2022/1031.html

② 中大規模建築物の木造化を推進
<施設系建築>
「花畑あすか苑(東京都足立区)」
国内最大のツーバイフォー建築物木造5階建て特別養護老人ホーム
ツーバイフォー工法(枠組壁工法)では延床面積で国内最大となる5階建て(1階RC造)特別養護老人ホーム。
この建物は、ツーバイフォー工法の建築物として国内最大であるだけでなく、特に4層以上の中層木造建築物の地震時の横揺れに有効な新技術としてカナダで開発された面材耐力壁ミッドプライウォールシステムを採用した国内初の建物でもあります。
https://www.mitsuihome.co.jp/company/news/2016/0525.html

延床面積 9773.24㎡
階数 5階建て(1階:RC造/2~5階:木造枠組壁工法)
建物用途 特別養護老人ホーム
竣工 2016年5月

「新田楽生苑(東京都足立区)」
ツーバイフォー建築物 木造5階建て特別養護老人ホーム
「木」と枠組み壁工法の構造特性を活かし、利用者やスタッフにやさしく地域交流にも寄与する施設です。
https://www.mitsuihome.co.jp/company/news/2022/0830.html

延床面積 7826.76㎡
階数 5階建て(1階:RC造/2~5階:木造枠組壁工法)
建物用途 特別養護老人ホーム
竣工 2022年8月

<木造マンション>
【三井ホームの木造マンション「MOCXION」】
当社の木造マンション「MOCXION」は、循環型資源である「木」を主要構造材に用い、高断熱・高強度・高耐久な性能を備えたサステナブルな木造マンションです。BELS 評価の「ZEH-M Oriented」以上を取得するなど、大手不動産情報サイトが定める木造マンションの登録要件を超える当社の独自基準を満たすことで、入居者に安全・安心で快適な居住環境を提供するとともに、脱炭素社会の実現にも貢献します。

■「MOCXION」につきましては、下記URLをご参照ください。
https://www.mitsuihome.co.jp/property/mocxion/

<木造マンション実例>
「MOCXION INAGI モクシオン稲城」

https://www.mitsuihome.co.jp/company/news/2021/0702.html

延床面積 3,738.30㎡
階数 5階建て(1階:RC造/2~5階:木造枠組壁工法)
建物用途 賃貸マンション
竣工 2021年11月

「MOCXION 四谷三丁目」
https://www.mitsuihome.co.jp/company/news/2023/0524.htm

延床面積 593.58㎡
階数 4階建て(木造枠組壁工法)
建物用途 賃貸マンション
竣工 2023年3月

「パークアクシス北千束 MOCXION」
https://www.mitsuihome.co.jp/company/news/2022/1121.html

延床面積 1640.78㎡
階数 4階建て(木造枠組壁工法)
建物用途 賃貸マンション
竣工 2023年8月

③ 地域産材の活用
<秋田県産スギを利用した低コストの畜舎モデル>
秋田県は、広大なスギ人工林を有しておりますが、この豊富なスギ材が使われずにいます。その資源を活用する木造畜舎を開発しました。スギ材は剛性が低く、たわみやすいという特性がありますが、トラス構造にすることにより、たわみを抑えることができます。また、大断面材を使わず細い材で大スパンを実現
https://www.mokuken.mitsuihome.co.jp/institution/kokusanzai

<阿蘇くまもと空港 旅客ターミナルビル>
屋根架構に熊本県産材トラスとダブルシールドパネルを採用
事業者:熊本国際空港株式会社 設計監理:株式会社日建設計
工事監督:株式会社梓設計 施工:大成建設株式会社
木造屋根組工事:三井ホーム株式会社
(施工範囲:約 10,000 ㎡ 熊本県産スギ利用)
https://www.mokuken.mitsuihome.co.jp/example/120

三井不動産グループのSDGsへの貢献について

https://www.mitsuifudosan.co.jp/esg_csr/
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進しております。三井不動産グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society 5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。また、2021年11月には「脱炭素社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」、2023年3月には「生物多様性」に関し、下記の通りグループ指針を策定しました。今後も、三井不動産グループは街づくりを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。

参考
・「脱炭素社会実現に向けグループ行動計画を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1124/
・「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取り組み方針を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1129_02/
・「生物多様性方針」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2023/0413/

※なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における6つの目標に貢献しています。

目標7
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
目標11
住み続けられるまちづくりを
目標12
つくる責任つかう責任
目標13
気候変動に具体的な対策を
目標14
海の豊かさを守ろう
目標15
陸の豊かさも守ろう
SDGs
earth with good
木造建築の可能性を広げ脱炭素に貢献する木造SDGs戦略「MOCX GREEN PROJECT」7月28日(金)スタート!pdf[PDF版]
本件に関するお問い合わせ先

三井ホーム株式会社 広報グループ: 03-3346-4649

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