ニュースリリース

2022.08.30
国内最大級の枠組壁工法(ツーバイフォー工法)による
木造5階建て特別養護老人ホームが完成
~建物にスギの木 7,000 本超に相当する炭素を貯蔵し脱炭素に貢献~

三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:池田明)は、枠組壁工法では国内最大級となる5階建て「特別養護老人ホーム新田楽生苑(しんでんらくせいえん)」(事業主:社会福祉法人新生福祉会)が2022年8月、東京都足立区で完成したことをお知らせいたします。

【本施設の概要】
  • 地上5階建ての耐火建築物(1階:鉄筋コンクリート(以下、RC)造、2~5階:木造(枠組壁工法))
  • 5,000 棟を超える当社施工の木造施設建築でも国内最大級
  • 炭素貯蔵量 1,774t- CO2※1(スギの木 35 年生で 7,116 本※2に相当)でカーボンニュートラルに貢献
  • 「木」と枠組壁工法の構造特性を活かし、利用者やスタッフにやさしく地域交流にも寄与する施設

2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再生可能な循環資源である「木材」を利用する木造建築への期待が世界各国で高まっています。日本においても2021年「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(改正木材利用促進法)」の施行により、建築物における木材利用を公共建築物だけでなく民間建築物に拡大していくことが課題とされるなか、本施設は時代の潮流に合致した建物といえます。
当社は、サステナビリティブランド「&EARTH with WOOD」を掲げ、今後も医療・介護・福祉施設、文教施設、商業施設等、様々な用途での中層大規模建築物の木造化・木質化を推進し、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

  • ※1 林野庁「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン(令和3年10月1日)」をもとに算出
  • ※2 スギの木1本あたりに固定された炭素量を68㎏として算出((国研)森林研究・整備機構森林総合研究所の算定解説より)

1.プロジェクト概要

本施設は、特別養護老人ホーム・ケアハウス・デイサービス・ショートステイ・グループホームなどを運営する社会福祉法人新生福祉会(広島県尾道市)が運営主体となり、足立区が所有する中学校跡地に特別養護老人ホームを当社が建築いたしました。
建築地は区からの借地で、足立区が特別養護老人ホーム等の用地として公募を行った結果、本事業が選定されました。東京都と足立区から特別養護老人ホーム等施設整備に関する補助金の交付を受けており、全170室の入所用居室とデイサービスセンター等も備える大型施設となります。

[物件概要]

建築地 東京都足立区新田1丁目21番20号
建築主 社会福祉法人新生福祉会
施設名称 特別養護老人ホーム新田楽生苑
https://rakusei.or.jp/shisetsu/shinden/
設計監理者 株式会社メドックス
施工者 三井ホーム株式会社
敷地面積 4,649.59㎡(1,406.50坪)
建築面積 2,180.03㎡(659.45坪)
延床面積 7,826.76㎡(2,367.59坪)
(うち、木造部分の延床面積:6,181.07㎡(1,869.77坪))
規模・構造 地上5階建て(1階:RC 造/2~5階:木造(枠組壁工法))・耐火建築物
建物用途 特別養護老人ホーム150室、短期入所生活介護施設(ショートステイ)20室
認知症対応型デイサービスセンター、居宅介護支援事務所
地域交流スペース(防災拠点型)
工事工期 2021年3月着工~2022年8月完成
開所 2022年11月(予定)

2.本施設の特徴

◆1階はRC造、2~5階は木造(枠組壁工法)
本施設の大部分を木造とした理由は以下のとおりです。

i)脱炭素社会への貢献

  • 建築に使用する多くの資材は、その製造・加工・運搬の過程において、多くの CO2が排出されることになるが、木は生長過程で CO2を排出せず、鉄骨やコンクリートよりも軽量で加工・運搬が容易であることから、木造建築は RC 造や鉄骨造と比べて、建設時の CO2排出量を大幅に削減できる。
  • 木造建築とすることで、長期間炭素を大気に戻さず建物内に固定化(貯蔵)できるため、脱炭素に寄与することが可能となる。本施設での試算では、炭素貯蔵量(2換算)は 1,774t-2、これはスギの木(35年生)換算で 7,116本に相当する。

ii)快適性・安全性の確保

  • 高齢な入所者や本施設で働くスタッフへの健康配慮、足腰への負担軽減等のニーズに応えるため、人にやさしい木造施設とすることで、快適で安全・安心な暮らしと職場環境を提供する。

<人にやさしい木材の特性>

<高断熱な木材と枠組壁工法の特性>

iii)経済合理性

  • 現行の建築基準法では、5階建ての建物をすべて木造で建築する場合、1階を2時間耐火構造とすることが求められる。本施設は経済合理性とプランニングの特性を踏まえ、1階をRC造、2~5階の4層を木造の1時間耐火構造で設計された。
  • 木造は鉄骨造やRC造と比較して軽量であるため、建築時における様々な負荷軽減につながる。また、枠組壁工法を採用し、床・壁等の構造躯体をパネル施工することで、工期短縮・コスト削減にも寄与。

iv)浸水対策

  • 本施設は隅田川と荒川に挟まれた中州にあり、足立区洪水・内水・高潮ハザードマップによると河川氾濫時には5m以上の浸水が想定される。1階RC部分の階高を通常より高くし、浸水時の入所者の安全を確保した。

◆耐震性能

i)耐力壁

  • 耐力壁は、当社の戸建で標準的に使用している2×6(ツーバイシックス)耐力壁を使用し、特に耐震強度を高める必要がある部分に関しては、その2×6耐力壁をダブルで配置した。
施工中の現場写真(2×6耐力壁)

ii)タイダウンシステム「ロッドマン」

  • 中層木造建築物では、地震や台風により水平力が作用すると非常に大きな浮き上がり力が耐力壁に生じるため、既存のホールダウン金物に代わる当社が開発したオリジナル金物タイダウンシステム「ロッドマン」を採用した。
  • 「ロッドマン」は通常の3階建て以下で使用しているホールダウン金物の 10 倍以上の強度を有し、建物の中でより高い強度を求められる部分で使用している。
  • ※3 2016 年に竣工した当社施工で最大の特別養護老人ホームである「花畑あすか苑」(5階建て、1階RC造、2~5階木造(枠組壁工法)、延床面積 9,773.24㎡)や2021年10月に竣工した木造マンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城、5階建て、1階RC造、2~5 階木造(枠組壁工法)、延床面積 3,738.30 ㎡)」でも使用されている技術。
  • ※4 鉛直荷重や木材の乾燥収縮による建物の沈み込みに追従できる装置。

◆入所者の暮らしやすさや、スタッフの働きやすさへの工夫等

  • 2階から5階は、共同生活室をすべての居室から出入りしやすいようフロアの中央に配置。
  • 平常時、機能維持訓練に利用する5階の多目的ホールは、河川氾濫による緊急時には、2階入所者の避難場所として安全確保にも利用できる。
  • 西側道路に面する開放的な1階の地域交流スペースは、事業主の地元である「瀬戸田レモン」の色を基調とした明るくにぎやかな内装色でデザインとした。また、屋外広場と隣接させ、イベントや交流スペースとして地域にも開放している。
  • スタッフ専用の南西の広場は、バレーボール・バドミントン等のレクリエーションでの利用が可能。また、設備面では新クックチル式の厨房を採用するなど、スタッフの働きやすさや作業効率にも配慮した。
  • ※ 通常の方法で調理した料理を急速冷却し、細菌の繁殖しにくいチルド(0~3°Cの低温)状態で保存し、必要時に再加熱して提供するシステムで料理の保存法の一種:「(一社)新調理システム推進協会」のHPより抜粋
フロアの中央に配置された共同生活室
「瀬戸田レモン」の色を壁紙に使用し、
明るさを演出した交流スペース

3.参考 (各種写真)

施工中
完成後、敷地の入り口から見上げた建物

<当社の施設系建築実例等>
https://www.mitsuihome.co.jp/withwood/

三井不動産グループのSDGsへの貢献について

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/esg_csr/
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわち ESG 経営を推進しております。三井不動産グループの ESG 経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。また、2021年11月には「脱炭素社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」に関し、下記の通りグループ指針を策定しました。今後も、三井不動産グループは街づくりを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。

参考
・「脱炭素社会実現に向けグループ行動計画を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1124/
・「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取り組み方針を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1129_02/

※なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における6つの目標に貢献しています。

目標3
すべての人に健康と福祉を
目標7
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
目標11
住み続けられるまちづくりを
目標12
つくる責任つかう責任
目標13
気候変動に具体的な対策を
目標15
陸の豊かさも守ろう
SDGs
earth with good
国内最大級の枠組壁工法(ツーバイフォー工法)による
木造5階建て特別養護老人ホームが完成 pdf[PDF版]
本件に関するお問い合わせ先

三井ホーム株式会社 広報グループ: 03-3346-4649

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