KNOWLEDGE
家の値段はどう決まる?
内訳・相場と資金計画の基本を解説
DEC.03.2025
家の値段は、建築費や土地代だけでなく、諸費用や頭金、さらには将来の維持費まで含めて考える必要があります。資材や人件費が高止まりしている昨今は、下落を期待するよりも堅実な資金計画を立てることが重要です。
そこで本記事では、家の値段の内訳や相場、価格帯ごとのプランの特徴、資金計画や契約時の注意点を整理し、安心して家づくりを進めるためのポイントを解説します。
目次
POINT
- 家の総費用は土地代・建築費・諸費用・頭金の4要素で構成され、土地の有無で総額が大きく変わる
- 2025年は資材や人件費の高止まりを前提に、余裕を持った資金計画を立てることが重要
- 返済負担率や生活防衛資金、将来の維持費まで見据えて長期的に計画することが安心につながる
家の総費用の内訳・相場は?

家づくりの総額は、建物本体の価格だけでは決まりません。土地代や諸費用、頭金といった複数の要素が組み合わさって、はじめて全体の費用が見えてきます。どの項目にどれくらいの割合がかかるのかを知ることで、見積もりが妥当かどうかを判断しやすくなり、資金計画の精度も高まります。
総費用の内訳と割合の目安
注文住宅の「家の値段」は、土地代・建築費・諸費用・頭金の4つで構成されます。どの要素がどれくらいを占めるのかを理解しておくことが、資金計画の第一歩です。
■総費用の内訳と割合の目安
- 土地代:20〜30%。都市部では比率が高くなる傾向
- 建築費:60〜70%。間取りや仕様によって増減
- 諸費用:5〜10%。登記・税金・ローン手数料・保険など
- 頭金:10〜20%を準備できれば返済や審査が有利になる傾向
この比率を把握することで、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
土地あり/土地なしで総額はどう変わる?
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2024年度)」によると、建物のみを新築する注文住宅の平均所要資金は3,936万円です。一方、土地を新たに購入する「土地付き注文住宅」の平均所要資金は5,007万円とされており、土地購入の有無によって1,000万円以上の差が生まれています。
特に首都圏や近畿圏では土地価格が高く、建築費と土地代がほぼ同じ水準になるケースも多く見られます。反対に地方や郊外では土地代が数百万円に収まる場合もあり、同じ延床面積でも総額が大きく異なります。
このため、注文住宅を計画する際には、建築費だけでなく土地条件を早めに確定させ、資金計画を土地ありと土地なしの2つのパターンで比較することが重要です。
家の値段の推移と今後の見通し

住宅の取得費用は、資材価格や人件費、金利や税制、さらには土地価格の地域差まで、多くの要素が影響します。特に近年は世界情勢や円安の影響で建築コストが変動しやすく、また税制優遇の期限や都市部と地方の価格差など、将来の見通しを立てるうえで確認すべき点が増えています。
資材・人件費の直近動向
2020年以降、住宅建築に必要な木材・鉄鋼・セメントなどは国際的な需給ひっ迫や円安の影響を受け、大幅に上昇しました。2024年時点でも価格水準は依然高く、国交省の調査でもセメントは今後も上昇が続く見通しとされています。ウクライナ情勢や物流の不安定さを背景に、資材価格は「急落」ではなく「高止まり」と捉えるのが現実的です。
一方、人件費は慢性的な職人不足を反映して上昇が続いています。国土交通省が公表した公共工事設計労務単価は、令和7年3月適用で全国全職種の単純平均が前年度比6.0%引き上げられ、13年連続の上昇となりました。若手不足・高齢化が背景にあり、住宅建築費の高止まりを招く主要因になっています。
(参考:『令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価について~今回の引き上げにより、13年連続の上昇~』)
資材と人件費の双方が下がりにくい状況にあるため、今後の注文住宅費用は「高止まり」あるいは「さらに上振れ」というシナリオを前提に資金計画を立てることが重要です。
金利・税制の足元
2025年10月のフラット35(融資率9割以下・新機構団信付き・21年以上35年以下)は、金利幅が年1.890%~4.290%、そのうち最も多い金利は年1.890%と発表されています。固定金利を利用する場合は、資金実行月の金利が適用されるため、見積もり比較の際には「どの時点の金利を前提としているか」を必ず確認することが重要です。
税制面では、住宅ローン減税が令和4年以降の入居について区分整理されています。控除額や控除期間は入居年や住宅の性能区分(長期優良住宅、省エネ基準適合など)によって異なり、令和7年中の入居までが現行制度の対象です。
さらに、令和7年度税制改正で、認定住宅等の新築取得における借入限度額の上乗せ措置や床面積要件の緩和が2025年末まで延長されることが決定しました。最新情報は国税庁の公式ページで必ず確認し、対象条件と突き合わせて計画に反映する必要があります。
地域別の単価と地盤リスク
国土交通省が公表した令和7年地価公示によると、全国の住宅地は4年連続で上昇しました。住宅地の平均変動率は、東京圏が4.2%、大阪圏が2.1%、名古屋圏が2.3%と大都市圏で堅調に推移しています。地方圏でも、札幌・仙台・広島・福岡の4市は4.9%と12年連続の上昇で、その他の地域は0.6%にとどまっています。地域差が鮮明となり、大都市圏と地方圏で二極化が進んでいます。
土地価格の水準は、注文住宅の総費用に大きく影響します。建物本体の費用だけでなく、土地代や地盤条件によって総額が変動するため、購入予定地では地価公示や都道府県地価調査マップを活用し、地点ごとの相場を確認しておくとよいでしょう。
なお、地盤調査の結果によっては改良工事が必要となり、追加費用が発生する可能性があります。こうしたリスクを事前に把握しておくことで、予算の不確実性を抑えることができます。
価格帯別:3,000万円台〜5,000万円台で実現できるマイホーム

建築面積や仕様の優先順位、立地や住宅形態によって、延床面積・設備のグレード・資金配分は大きく変わります。ここでは、「3,000万円台」「4,000万円台」「5,000万円台」という3つの価格帯を取り上げ、それぞれで実現できる住まいの規模や特徴を整理します。
3,000万円台でできる家
前述のとおり、「フラット35利用者調査」では、建物のみ(注文住宅)の平均取得費は3,936万円です。特に延床30坪ほどのプランで実例が多く、約86万円/坪前後が全国平均の建物本体費用の目安となります。
これに基づくと、延床30坪程度の間取り(2〜4LDK)が現実的な範囲で、収納や動線を優先した設計が採用できます。中間グレードの断熱仕様や設備、構造が中心のため、一部ハイグレードの設備を選ぶことも可能です。
ただし、外構や地盤改良、上下水の引込など諸費用が別途必要なため、予算には注意が必要です。
4,000万円台の標準像
建物本体で4,000万円を想定する場合、坪単価や立地にもよりますが、延床30〜40坪で、吹き抜けや回遊動線、パントリーなどを取り入れた設計が可能です。
3,000万円台の範囲に加えて、断熱性能の強化や創エネルギー(太陽光+蓄電池)、外装材の耐久性向上(タイル貼り等)など、ライフサイクルコストの最適化が意識できる予算帯です。
5,000万円台で差が出る設計
5,000万円台からは、空間設計における選択肢が一気に広がります。中庭や大開口サッシ、ビルトインガレージといった体感価値を高める設計要素が現実的になり、暮らしの質を意識したデザインに踏み込めます。
内外装の仕上げ材で意匠性と耐久性を両立させ、維持費を抑える設計がしやすくなります。
坪単価×床面積で家の値段を概算するには

坪単価は「建物本体価格を延床面積で割った値」として定義するのが一般的です。計算の基本は次のとおりです。
1.延床面積を坪数に換算する
延床面積(㎡)×0.3025=延床坪数
または
延床面積(㎡)÷3.305785=延床坪数
2.坪単価を算出する
坪単価=建物本体価格÷延床坪数
3.建築費を概算する
概算建築費=坪単価×希望する延床坪数
比較する際には、「延床面積」と「施工床面積」のどちらを基準にするかを必ず統一することが重要です。施工床面積にはバルコニーや玄関ポーチを含む場合があり、そのまま比較すると誤差が大きくなります。
また、建築費は坪単価だけでは決まりません。建具や照明の数、外構工事、地盤改良の有無などによって変動するため、坪単価を目安としつつ、詳細な見積もりで条件を加味することが不可欠です。
資金計画の立て方:年収・頭金・金利・支払い時期

住宅ローンの返済を安全・安心に続けるには、「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら無理なく返せるか」を基準に考えることが欠かせません。そのうえで、自己資金の内訳や生活防衛資金の確保、金利上昇を見据えたシミュレーション、契約から引渡しまでの資金繰りといった複数の視点を整理しておく必要があります。
年収から逆算する借入可能額
借入可能額は「希望額」ではなく「年収に対する返済負担率」から逆算するのが基本です。一般に安全圏とされる返済負担率は、年収の20〜25%程度といわれています。この範囲で月々の返済額を算出したうえで、固定資産税や火災保険料、修繕積立費などのランニングコストも含めて、家計の耐性をチェックすることが求められます。
頭金と自己資金の考え方
自己資金は「頭金」「諸費用」「生活防衛資金」に分けて確保するのが現実的です。諸費用は建築費の6〜10%が目安とされ、頭金にすべてを回すと手元資金が不足しかねません。
生活防衛資金は、住宅ローン返済中に収入が減少したり急な出費が生じたりした場合の備えとして欠かせません。一般的には生活費の3〜6か月分を目安に現金で確保しておくと安心とされます。
これを確保せずに頭金を増やすと、返済は軽くなっても日常生活が不安定になるリスクがあります。
金利シナリオ別に試算
ローンは「同じ借入額・同じ期間」でも、金利の違いによって総返済額が数百万円単位で変わります。そのため、固定金利と変動金利の両方でシミュレーションを行い、金利上昇を想定した「もしものケース」を比較しておくことが不可欠です。
例えば、4,000万円を35年返済で借りる場合、金利1.5%と2.5%では、総返済額に約700万円以上の差が生じます。変動金利を選ぶ場合は「将来2〜3%まで上がったらどうなるか」を試算し、支払い可能な範囲の返済額かどうかを確認しておくことが重要です。
また、シミュレーションは「元利均等返済」と「元金均等返済」で結果が変わるため、どちらを前提にしているかをそろえる必要があります。繰上返済を計画する場合は、返済時期ごとの金利も変動させて試算すると、家計へのインパクトがより具体的に把握できます。
契約から引渡しまでの支払い時期
注文住宅の支払いは一括ではなく、工程ごとに分割して発生します。一般的には「申込金」「契約金」「着工金」「中間金」「残代金」という流れで支払います。本融資の実行は引渡し段階が多いため、それまでの期間はつなぎ融資や分割融資で資金をつなぐ必要があります。これを事前に理解しておくことで、資金ショートのリスクを避けられます。
家の値段をコストダウンさせるには?

注文住宅の費用は、見積もりや契約の進め方で大きく変わります。重要なのは、見積もり比較、代替仕様、周辺費用の3点です。
見積もりは条件を統一して確認します。付帯工事や地盤改良の有無も早めに把握することで、予算のブレを避けられます。労務単価は国交省の指標を参考にすると相場が分かります。
仕様調整では、日差しや視線を調整するルーバーや床材・外装材を代替し、間接照明や建具を整理することで1〜2%の削減が可能です。ただし断熱や耐震など基本性能は削らないことが前提です。
外構、地盤改良、上下水道の引込、照明やカーテンといった周辺費用も初期から計上し、最適化します。つなぎ融資の利息も含めて管理することで想定外の出費を防げます。
家の値段を左右する要素と住宅タイプ別比較・契約のポイント

家づくりは「どの住宅タイプを選ぶか」と「どの会社と契約するか」で総額も将来の維持費も大きく変わります。さらに契約から引渡しまでの流れを理解し、途中でのトラブルや想定外の出費を避けることが大切です。
ここでは住宅タイプごとの比較ポイント、ハウスメーカー選びの判断基準、契約から引渡しまでの注意点を整理します。
住宅タイプとコスト比較のポイント
家づくりを考えるときは、建築費といった初期費用だけでなく、30年間にわたるライフサイクルコストまで含めて評価することが大切です。固定資産税や火災・地震保険料、外壁や屋根のメンテナンス費用なども年次で見積もり、比較に加えておく必要があります。
そのうえで、住宅タイプごとの特徴と傾向を押さえておきましょう。
- 注文住宅:自由度が高く性能を確保しやすい反面、初期費用は大きめ
- 建売住宅:価格が抑えやすい一方で、仕様や間取りの選択肢は限られる
- 中古住宅:中古住宅にリノベーションを加える場合は、取得費用を抑えられる場合もあるが、耐震補強や断熱改修に追加の費用がかかる可能性あり
三井ホームでは、こうしたコスト感覚を持ちながら検討を始められるよう、外観や部屋数、インテリアスタイルを選ぶだけで建物本体価格の目安を確認できる規格住宅を提供しています。具体的な金額を把握することで、将来の資金計画をイメージしやすくなります。
さらに、PCやスマートフォンから展示場の雰囲気を体感できる「メタバース見学」も利用でき、場所や時間に縛られず住まいづくりのイメージを広げることが可能です。ぜひ一度お試しください。
ハウスメーカー選びの判断基準は?
依頼先を選ぶ際は、工法や断熱・気密性能、施工体制を確認することが重要です。加えて、長期保証や定期点検の内容、瑕疵保険の適用範囲も事前に確認しておきましょう。保証や点検が不十分だと、将来的な修繕費が大きく膨らむリスクにつながります。
例えば三井ホームでは、独自の構法「MOCX WALL(モクスウォール)」を採用し、高い耐震性と断熱・気密性能を実現しています。さらに60年長期保証システムや定期点検など、建てた後も安心が続くサポート体制を整えています。住宅性能だけでなく、将来にわたる維持・管理の安心感を求める方にも適した住まいを実現できます。
プラン〜契約〜引渡しの注意点
契約に進む際は、申込金の返金条件や設計の確定時期、金額が動くときの取り決めを文書に明記しておくことが重要です。工事が進んでからの仕様変更は大きなコスト増につながるため、事前に取り決めておく必要があります。
まとめ

家の値段は、資材や人件費、金利や税制、地域ごとの土地価格など多くの要素に影響を受けています。2026年も大きな下落は期待しにくく、高止まりや上振れを前提に資金計画を立てることが現実的です。
建築費は延床面積と坪単価から概算できますが、土地代や地盤改良、外構工事など周辺費用も含めて検討する必要があります。どの住宅タイプを選び、どの会社に依頼するかによって総額も満足度も変わるため、長期的な維持費や保証内容まで見据えて判断することが大切です。
三井ホームでは、外観や部屋数、インテリアスタイルを選ぶだけで建物本体価格の目安を確認できる規格住宅を用意しています。資金計画の第一歩として、ぜひ価格シミュレーションを試してみてください。



































