家の模型と財布を持つ人の手

KNOWLEDGE

注文住宅の頭金はいくら必要?
相場や頭金を入れるメリットもチェック

DEC.03.2025

注文住宅を検討するとき、多くの人が気になるのが「頭金」です。頭金の準備額によって、住宅ローンの毎月の返済や総費用に差が出ます。相場や平均値とともに、頭金ゼロでも注文住宅を建てられるのか、頭金を支払うメリットを解説します。生活防衛資金を確保しながら、無理のない資金計画を立てる工夫も参考にしてみてください。頭金について困ったときの相談先も紹介します。

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POINT

  • 注文住宅の頭金は、土地代を含む住宅価格のうち自分で支払う部分
  • 注文住宅の頭金の割合は1〜3割が目安
  • 頭金を準備する方法として、計画的な貯蓄や贈与がある

注文住宅の頭金とは

机に並べられた家の模型と通帳、電卓、観葉植物

家を建てる費用について調べているとき、必ずといってよいほど見かける言葉が「頭金」です。注文住宅などの住宅を建てたり買ったりするときの頭金とは、土地と建築費を合わせた住宅価格のうち、住宅ローンから借り入れずに自分で支払う現金を指します

家は決して安い買い物ではありません。住宅ローンを使わず自己資金のみで支払いが完了する人は少ないでしょう。頭金を支払って残った分の金額は、都市銀行などの民間金融機関の住宅ローンや、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提供する「フラット35」といった住宅ローンを利用して返済していくことになります。

注文住宅の頭金の相場

ペンを持ちながら電卓で計算する手元

注文住宅を購入するとき、まず考えたいのが頭金の額です。どの程度の割合を自己資金で支払うのかは自由に設定できますが、割合によってローンの審査に通りにくかったり生活防衛資金が少なくなってしまったりします。

目安の割合と調査データから見る平均値を紹介します。

住宅価格の1〜3割が目安

住宅ローンは借入の額が大きくなるほど、金利も増えます。あまりに頭金が少ないと、毎月の返済が苦しくなる可能性があるでしょう。かといってあまりに高い割合を頭金として入れてしまえば、貯蓄額が大きく減って生活防衛資金に困るかもしれません。

貯蓄額や生活水準にもよりますが、一般的に頭金の割合は土地代込みの場合、住宅価格の1〜3割が目安です。土地代を含む住宅価格が6,000万円の場合、頭金の目安は600万〜1,800万円ということになります。

注文住宅の頭金額の平均値

頭金の額は、土地や住宅の購入金額と自己資金の割合から大まかに算出できます。自己資金には現金で支払う諸費用も含まれるため、目安として考えましょう。

国土交通省の「令和6年住宅市場動向調査」によれば、土地を購入して建てた注文住宅の平均購入金額は6,188万円でした。自己資金の割合は32.2%(6,188万円を基準にすると約1,933万円)です。諸費用を住宅価格の5〜7%と考えれば、頭金の割合は住宅価格のおおよそ25〜27%ということになります。

注文住宅建て替え世帯(土地を購入しない場合)では、平均購入金額は5,241万円となっています。自己資金の割合は57.1%(5,241万円を基準にすると約2,993万円)でした。元々土地があるかどうかで、頭金の額は大きく変わってくるようです。

(参考:報道発表資料:「住宅取得時に購入した耐久消費財の金額」などについて新たに調査しました!~令和6年度住宅市場動向調査の結果をとりまとめ~ - 国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査_報告書」PDF P.46)

地域や経済状況による違いも

頭金の割合や額は、施主の状況や建てる家によって異なります。地域も頭金の額が変わる一つの要素です。土地代込みの場合、地価が高ければたとえ建築費が同じでも頭金の額は大きくなるでしょう。

施主の経済状況によっては、1割も頭金を入れられない場合も、平均値を大きく超える頭金を用意できる場合もあります。また遺産を受け継いだばかりで建築時点の資産は多いものの、年収はそれほど高くないというケースでは、頭金を多く支払っておく方が後々の生活には余裕が生まれるはずです。

このように、個人個人で頭金に充てるべき額や割合は変わってきます。資産と必要な生活防衛資金、ローンを組んだ後の返済能力を考慮して、家づくりを計画しましょう。

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頭金ゼロでも注文住宅は建てられる?

電卓の上に置かれた住宅の模型とクエスチョンマークのステッカーを持つ手

頭金ゼロで借り入れられる住宅ローンも多くあります。頭金が用意できなくても注文住宅を建てることは可能です。例えば住宅金融支援機構と民間の金融機関が提供する「フラット35」も、頭金ゼロで借り入れられます。

ただ、融資率9割以下(自己資金率1割超)の場合に比べて、金利は高くなることに注意しましょう。2025年10月資金受け取り分のフラット35(新機構団信付き・借入期間21〜35年)の金利は、融資率に応じて以下のように変わります。

金利に幅があるのは、提携している金融機関ごとに金利が異なるためです。

融資率 金利(1年当たり) 金利の最頻値
9割以下 1.890〜4.290% 1.890%
9割超(10割も含む) 2.000~4.400% 2.000%

(参考:最新の金利情報:長期固定住宅ローン【フラット35】)

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注文住宅の購入で頭金を入れるメリット

「MERIT」の英文字が一つずつ書かれたウッドブロック

頭金ゼロで注文住宅を建てられるのであれば、初期費用が抑えられて得になると思うかもしれません。しかし、頭金を入れることで得られるメリットはあります。頭金の割合を高くする場合に注意したいポイントと併せて見ていきましょう。

返済の負担が減る

頭金を入れるメリットは、ローンの返済の負担が軽減できることです。支払うべき残りの住宅価格が多ければ、当然住宅ローンの返済額は大きくなります。またフラット35の例を挙げたように、頭金を含む自己資金比率が高いほど金利は低くなるのが基本です。

次の条件で注文住宅を建てたとき、頭金がゼロ(自己資金率1割未満)の場合と30%(1,800万円)の場合で住宅ローンの総返済額を比較してみましょう。

  • 住宅価格(土地代込み):6,000万円
  • 利用するローン:フラット35(新機構団信付き・借入期間21〜35年)
  • 返済期間:30年(360回払い)

<頭金ゼロの場合>

  • 適用金利:1.980%(1年当たり)
  • 元本:6,000万円
  • 1カ月当たりの金利:1.980%÷12カ月=約0.165%
  • 1カ月当たりの返済額:約22万1,000円(一定)
  • 総返済額:約22万1,000円×360回=約7,956万円

※金利は変わらないものとして、元利均等返済で概算。総返済額には数万円のズレが出る可能性あり

<頭金30%の場合>

  • 適用金利:1.870%(1年当たり)
  • 元本:4,200万円
  • 1カ月当たりの金利:1.870%÷12カ月=約0.156%
  • 1カ月当たりの返済額:約15万2,500円(一定)
  • 総返済額(概算):約15万2,500円×360回=約5,490万円

※金利は変わらないものとして、元利均等返済で試算。総返済額には数万円のズレが出る可能性あり

なお、住宅ローンの審査は年収や勤続年数・勤務先・借入状況といった返済能力を確認するのが基本であり、頭金の多寡が直接的に審査結果を決めるわけではありません。ただし自己資金比率が高いと、借入額が減る分返済負担が小さくなり、無理なく返済できると判断されやすいといった間接的なメリットはあります。

頭金を多くするときの注意点

注文住宅を建てるときの頭金を多くすれば、後々のローン返済は楽になります。ただ、頭金を多くしすぎると、生活防衛資金が足りなくなる恐れがあります。十分な資産があるなら問題がありませんが、頭金を入れて残った資産が十分なのかをよく考えましょう。

特に子どもがいる、これから子どもを持つ予定がある家庭の場合、予期しない出費が発生するケースも少なくありません。月々の生活費だけでなく、余剰資金も十分に確保しておく必要があります。

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注文住宅で頭金以外に必要な初期費用

「初期費用」の漢字が一つずつ書かれたウッドブロック

住宅ローンでは、土地の購入費や建物の建築費以外の費用も借入の対象となるケースがあります。ただ自己資金比率を上げてローンの返済負担を軽くするには、頭金以外の初期費用もできる限り現金で支払っておいた方がよいでしょう。頭金のほかには、どのような初期費用が発生するのでしょうか。

土地を購入するときの初期費用

家を建てる土地を購入する場合、土地代以外にも費用がかかります。土地購入にかかる費用は以下の通りです。

  • 土地売買の契約書に必要な印紙代(印紙税)
  • 不動産取得税
  • 登録免許税(司法書士に頼む場合は司法書士報酬も)
  • 仲介手数料(不動産の仲介で土地を購入する場合)

不動産に関する印紙税には2027年3月末まで軽減措置が講じられており、土地の金額によって以下の費用がかかります。

契約金額 軽減税率 本則税率
500万円超1000万円以下 5,000円 1万円
1000万円超5000万円以下 1万円 2万円
5000万円超1億円以下 3万円 6万円
1億円超5億円以下 6万円 10万円

不動産取得税は都道府県に納める地方税の一つで、同じく2027年3月末まで本則4%のところ、住宅や土地に関しては3%に引き下げられています。新築住宅には1200万円の控除があり、住宅費用が6000万円なら4800万円に対して3%(144万円)の不動産取得税が発生することになります。ただ住宅用地には減額措置や特例もあるため、144万円かかることはないでしょう。

登録免許税は土地の所有権の移転登記にかかる税金です。財産分与や贈与などでなく売買の場合、2026年3月末までは不動産価額の1,000分の15、本来は1,000分の20の額がかかります。司法書士報酬の相場は3〜5万円です。

売買取引の仲介手数料は、金額が400万円を超える場合、売主または買主の一方から受け取れる仲介手数料は「購入代金(税抜き)×3%+6万円+消費税」が上限とされています。

(参考:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁)

(参考:総務省|地方税制度|不動産取得税)

(参考:建設産業・不動産業:<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ - 国土交通省)

住宅を建築するときの初期費用

家を建てるときは、住宅メーカーとの契約書に書かれた金額のほか、追加で費用がかかる場合があります。地盤調査やライフラインの引き込みなどにかかる費用が一例です。

土地と同じく、印紙税や不動産取得税・司法書士報酬なども発生します。家づくりの資金計画を立てるに当たっては、これらの初期費用も考えておきましょう。

住宅ローンに関する初期費用

住宅ローンを組むのにも、印紙税や登録免許税、場合によっては司法書士報酬が発生します。ローンの手数料や保証料・団体信用生命保険料・火災保険料・地震保険料なども、ローンの利用にかかる費用です。

これらの費用も住宅ローンの借入対象となる場合がありますが、できるだけ自己資金比率を上げたい場合は、自分の場合にどの程度の金額がかかるのかを調べておくのがおすすめです。

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注文住宅の頭金はどう準備するのがベスト?

通帳を眺めながら考える人

個々の状況によって、頭金のベストな用意の方法は違います。考えられる主な方法は「資金計画を立てて貯める」「贈与を受ける」です。それぞれのメリットやデメリット・注意点を見ていきましょう。

資金計画を立てて貯める

注文住宅の頭金を用意する方法として、正攻法といえるのが資金計画を立てて資産を用意することです。具体的な方法としては、住宅用の資金を入れておく専用の口座を作り、毎月の収入から生活費に使わなかった分をその口座に移すなどが考えられます。

給与からの天引きで積み立てておくのも一つの方法です。金融に関して一定の知識があるなら、インデックス型の投資信託のように、リスクの少ない積立投資をコツコツ続けるのもよいでしょう。NISA口座を活用すれば、税制の優遇も受けられます。

贈与を受ける

養育者や親族などから援助を受けられる状況なら、頭金の一部を贈与してもらう方法もあります。贈与を受ける場合、贈与税の発生に注意が必要です。「暦年課税」を選んだ場合、110万円を超える金額の贈与を受けると、超えた分の金額に対して金額に応じた税率で課税されます。

親からの贈与で、自分が18歳以上だった場合の税率と控除額を見てみましょう。

基礎控除後の課税価格 200万円
以下
400万円
以下
600万円
以下
1,000万円
以下
1,500万円
以下
3,000万円
以下
税率 10% 15% 20% 30% 40% 45%
控除額 なし 10万円 30万円 90万円 190万円 265万円

贈与税には「相続時精算課税」という制度もあります。相続時精算課税は、贈与する人が贈与する年の1月1日に60歳以上の父母や祖父母であり、贈与を受ける人が贈与される年の1月1日に18歳以上の子や孫(直系卑属)でなければ対象となりません。

基礎控除額110万円と特別控除額(限度額2,500万円)を控除し、一律で20%の税率をかけて贈与税を算出します。ただ、相続時精算課税を選択する場合は以下の点には注意しましょう

  • 贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日までに「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要がある
  • 一度相続時精算課税を選択すると、暦年課税に戻せない
  • 贈与者が亡くなったときの相続税が増える

(参考:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁)

(参考:No.4103 相続時精算課税の選択|国税庁)

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頭金について迷ったら三井ホームに相談

顧客の相談を受ける不動産のビジネスパーソン

注文住宅の頭金をどの程度用意するかは、個々の経済状況によっても適切な割合が変わるため、判断が難しい場合もあるでしょう。もし家づくり全体の資金計画を整理して頭金をどうするか決めかねているなら、三井ホームにご相談ください。

信頼できる資金計画相談デスク

三井ホームには、「資金計画相談デスク」があります。三井ホームが用意したローンも提案に含め、住まいづくりの資金計画のサポートが可能です

検討中のローンや土地建物予算・自己資金・年収など、資金相談に必要な項目を入力して相談できるWebフォームを用意しています。土日祝日しか時間が取れない、急いでいるという場合は、営業所やモデルハウスでの相談を検討してみてください。

資金計画相談デスク | 〈公式〉三井ホーム(注文住宅、賃貸・土地活用、医院・施設建築、リフォーム)

バリエーション豊富でイメージが湧くカタログ

注文住宅の頭金は、住宅の建築にかかる費用に比例して上がります。どのような家を建てたいかによって、建築費用は大きく変わるでしょう。頭金をどれだけ準備するか考えるには、まず希望する家のイメージを固めなければなりません

三井ホームでは、豊富なテーマのカタログを用意しています。自分のライフスタイルや好みに合ったデザインや工夫が見つかるのではないでしょうか。紙のカタログ・Webカタログどちらも用意しています。施工事例のページを参考にするのもおすすめです。

カタログ請求 | 〈公式〉三井ホーム

建築実例紹介 | 戸建住宅 | 〈公式〉三井ホーム

まとめ

注文住宅の模型

注文住宅を建てるに当たっては、ほとんどのケースで、土地代や家の建築費を「頭金」とローンで支払っていくことになります。頭金の目安は1〜3割、データから見る注文住宅を土地から買って新築した場合の自己資金割合は32.2%です。

とはいえ、個人の状況によって適切な頭金の割合・額は変わってきます。一般的な目安や平均値は参考と考えましょう。頭金を用意する方法には、計画的な貯蓄や贈与が挙げられます。家づくりの資金計画についても、三井ホームまでご相談ください。一生を支えられる高品質な家づくりを、資金計画からサポートします。

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