KNOWLEDGE
二世帯住宅の費用相場を解説。
費用が変わる要素や建てるときのポイントも
DEC.03.2025
自分も家庭を持ったけれど親が離れて住んでいると心配、配偶者の親を迎え入れる必要が出てきたという場合、選択肢に挙がるのが二世帯住宅です。二世帯住宅には複数のタイプがあり、建築費用の相場もタイプによって変わってきます。タイプ別の相場とともに、二世帯住宅の費用に影響する要素や、悩みがちな資金計画についても見ていきましょう。
POINT
- 二世帯住宅の費用相場はタイプによって違いが出る
- 二世帯住宅の費用に影響する要素は大きさや間取り、設備のグレード、付帯工事の有無
- 二世帯住宅を建てるときは、出資の仕方も含めて世帯間でよく相談し、バリアフリー対応も視野に入れつつ二世帯住宅の建築事例が豊富なメーカーを選ぶとよい
二世帯住宅にかかる費用はどの程度?

二世帯住宅を計画するに当たっては、資金計画が必要です。そのためには、どの程度の費用がかかるのかを知っておかなければなりません。二世帯住宅における相場を、タイプ別に解説します。
タイプによって相場は変わる
一口に「二世帯住宅」といっても、生活のスタイルによってタイプはさまざまです。二世帯住宅は大きく以下の3種類に分類されます。
- 同居型(完全共有型):2世帯で全ての設備を共有する。一つの家で2世帯が一緒に暮らすイメージ
- 一部共有型:玄関やリビング・ダイニングなど一部の設備のみ共有し、ほかはそれぞれ別に設備を用意する。一緒に過ごす時間と世帯ごとのプライバシーを両立できる
- 完全分離型:左右または上下で完全に住宅を分離し、各世帯が住むエリアにそれぞれ玄関・水回りなどの設備を設ける。プライバシー重視の人向け
これらのタイプごとに二世帯住宅の建築にかかる費用は変わってきます。親世帯・子世帯それぞれの希望と、予算を考慮して二世帯住宅のタイプを決めましょう。
タイプ別の費用相場
二世帯住宅は、タイプごとに必要な設備の数や間取りが変わってくるため、建築費用も異なります。二世帯住宅に限らず、設備の数が増えるほど家づくりの費用は上がるのが基本です。
タイプごとの特徴を踏まえると、同居型が最も安く、完全分離型が最も高いことが分かるでしょう。では、それぞれどの程度の費用がかかるのでしょうか。大まかな目安を紹介します。
同居型(完全共有型)
同居型は設備を全て共有するため、設備費用は1世帯分で済みます。部屋数や敷地面積は1世帯で住む家よりは多く必要ですが、「広い一戸建て」を立てるイメージです。
一部共有型
設備の一部を共有する二世帯住宅の場合、建築費の相場は、同居型と比べて設備数が多くなるため、建築費用は高くなります。
同居型より相場の幅が大きいのは、どの程度設備を共有するかによって費用が変わってくるためと考えられます。「費用はできるだけ抑えたいけれどプライバシーも大事」という場合、共有したくない設備に優先順位を付け、優先度の低い設備は共有で妥協するのも一つの手です。
完全分離型
完全分離型の二世帯住宅を立てる場合は、2世帯それぞれの居住スペースに、生活に欠かせない設備の全てを用意しなければなりません。設備数が1世帯の一戸建てと比べて2倍になるため、相場も高くなります。
完全分離型二世帯住宅の建築費は、一戸建てを2軒建てるよりは安く済みますが、二世帯住宅としては高い費用がかかります。ただ、一緒に暮らしつつ互いの生活には過度に干渉しないというスタイルを好む場合は、完全分離型は費用以上のメリットがあるでしょう。
二世帯住宅の費用に影響する要素

タイプ別の費用相場を見ると、1500万〜2000万円という大きな開きが見られます。では、同じタイプの二世帯住宅でも費用が変わる理由は何なのでしょうか。二世帯住宅の費用に影響を与える要素の中で、共有部分の有無以外のものを紹介します。
建物の大きさ・間取り
二世帯住宅に限らず、家を建てる費用は建物の大きさ(坪数)に比例して高くなります。
また、間取りも、住宅の建築費用が変わる大きな要素です。新築の一戸建てにかかる建築費は、枠組みの費用に壁などの設備の費用を足した額で決まります。仕切りが少なくシンプルな間取りだと、費用は安くなるということです。
逆に部屋数が多かったり間取りが複雑だったりすると、枠組み以外の費用が跳ね上がります。理想の家づくりを考えるときは、間取りが費用に与える影響も考慮しておきましょう。
設備のグレード
二世帯住宅を含む注文住宅の費用に影響を与える要素の一つが、「設備のグレード」です。設備とは、キッチンや浴室・トイレなどの水回り、壁や床をはじめとする内装、空調や照明、太陽光発電システムなどです。
これらの要素のグレードが高ければ、二世帯住宅の建築にかかる費用は上がります。良い家を作ろうと思うほど、必然的に設備のグレードは上がるでしょう。特にこれから高齢になっていく親と同居する二世帯住宅では、気を使いたい部分は多いかもしれません。
ただ、設備のグレードが高ければ、メンテナンス費用や光熱費を削減できて長期的には出費を減らせる可能性が十分にあります。標準グレードを下げて建築費を安くしても、長い目で見た出費は変わらないケースも考えられるでしょう。
付帯工事があるか
二世帯住宅を建てるとき、建物本体のほかに「付帯工事」が必要になります。付帯工事の例は以下の通りです。
- 地盤の調査・改良工事
- 駐車場や塀などの外構工事
- 給排水管やガス管などライフラインの引き込み工事
照明やエアコンなどの取り付けが付帯工事になる場合、その分の費用が追加でかかります。
実際に見積もりを取るのが確実
二世帯住宅にかかる費用には、同居型・一部共有型・完全分離型といったタイプのほか、複数の要素が影響してきます。どのような家を建てたいのかによって、かかる費用は大きく変わってくるでしょう。二世帯住宅のタイプや家のイメージが決まったら、まず「概算見積もり」を取るのが確実です。
概算見積もりは「詳細見積もり」とは違って、住宅メーカーをまだ決めていない段階でも作成してもらえます。詳細がまだ決まっていないので大まかな試算にはなりますが、幅のある相場よりはるかに実際かかる費用に近い額を把握できるはずです。
もし家のイメージが決まっていないなら、住宅メーカーのカタログを参考に計画してみる方法があります。三井ホームでは、『実例集「理想を叶えた二世帯住宅」』というカタログも用意しています。下記カタログ請求ページの「カテゴリ一覧」から「ライフスタイル」を選択すると、『実例集「理想を叶えた二世帯住宅」』が表示される仕様です。
二世帯住宅の資金計画はどうする?

二世帯住宅にかかる費用は、どちらの親子どちらの世帯が出すのか、共同で出資するとしても割合をどうするのか悩みやすい問題です。世帯間での分担に関する考え方や住宅ローンの組み方について、一般的な傾向も交えて考えてみましょう。
親世帯と子世帯での分担
二世帯住宅は、親が土地を持っていて子どもと一緒に住むことにした、子どもが親を地方から呼び寄せて二世帯で暮らすことにしたなど、さまざまな理由で立てられます。
一般的な傾向としては、親世帯が多く出資するケースが多いようです。ただ、折半にしたり子世帯が多く出したりする場合もあるので、ケースバイケースといえるでしょう。最も負担やトラブルを軽減できるのは、経済的に余裕がある方の世帯が多く出資することです。
親に二世帯住宅の費用を出してもらった場合、子世帯は生活費を多めに負担するといった調整により、関係が円滑になることもあります。また、多く出資した側の世帯は「出してあげた」という態度を取らないようにしましょう。
住宅ローンの組み方
二世帯住宅の資金計画で疑問が生じやすいのが、住宅ローンについてです。二世帯住宅を共同出資で建てる場合、組み方には主に以下の三つが挙げられます。
- 親子ペアローンを組む
- 親子リレーローンを組む
- 親子世帯の収入を合算してローンを組む
親子ペアローンとは、親子それぞれが契約者となって組むローンです。高額の借入が必要な場合に向いており、同時に返済していけるため、返済期間が短く済みます。
親子が別に契約しているため、団体信用生命保険や住宅ローン控除も親子ともに適用が可能です。ただ、親子どちらも一定以上の収入がないと利用できません。
親子リレーローンは、初めは親が返済し、その後に子が返済を引き継ぐローンです。ペアローンと違って同時に返済するわけではないため、返済期間は長くなります。住宅ローン控除は親子どちらも適用できますが、団体生命保険は多くのローンで加入が親子どちらか1人のみとされているようです。
収入を合算する方法は、親子どちらか一方が名義人(主債務者)、もう片方が連帯保証人になるローンの組み方です。1人の収入では希望する額を借り入れられない場合、親または子の収入を合算することで借入額を増やせます。もし名義人が返済できなくなったときは、連帯保証人が代わりに返済しなければなりません。
迷ったときは三井ホームへの資金相談を
親子で住む二世帯住宅の費用については、個々の状況によって最適な出資の割合や住宅ローンの組み方が変わってきます。親子世帯でよく話し合ったとしても、ベストな方法が見つからないことも多々あるでしょう。
もし二世帯住宅の資金について悩んでいるなら、三井ホームの資金相談デスクにご相談ください。24時間申し込めるWebフォームはもちろん、エリアによっては営業所やモデルハウスでの相談も可能です。
二世帯住宅を建てるときのポイント

二世帯住宅は1世帯で住む注文住宅に比べて、間取りや設備の決め方など難しい部分があります。2世帯で快適に暮らせる二世帯住宅を建てるには、どのようなポイントを意識すればよいのでしょうか。
二世帯住宅の建築事例が豊富なメーカーを選ぶ
住宅メーカー選びは、快適な二世帯住宅選びに重要です。二世帯住宅の建築実績が少ないと、設計の段階からベストな提案ができない可能性があります。
三井ホームでは、複数の二世帯住宅の事例を公開しています。主な建築事例は以下の通りです。
- タイプ:完全分離型(左右)
- 親世帯スペースの工夫:玄関前の開放的なアウトドアリビング、前庭が見渡せるリビング、ゆったりしたキッチン・ダイニング
- 子世帯スペースの工夫:窓が6個連なった吹き抜けのリビング、バルコニーにつながるダイニング、シックなグレーのキッチン、屋根の形を生かして天井を高くした子供部屋
- タイプ:完全分離型(上下)
- 親世帯(1階)スペースの工夫:明るく和モダンな玄関ホール、南のテラスから日が差し込むリビング、丸いテーブルでゆとりを持たせたダイニング、中庭の盆栽が見えるキッチン、庭につながる主人用の書斎、夫婦がそれぞれ身支度できる洗面室(ランドリーも隣接)
- 子世帯(2階)スペースの工夫:白を基調としたダイニングキッチン、シンプルで清潔感のあるリビング
このように、それぞれの好みに合わせて柔軟に二世帯住宅の建築を手がけています。もしほかの建築事例も気になる場合は、事例を一覧で見てみましょう。二世帯住宅以外の事例からも、デザインや間取りのヒントを得られるかもしれません。
建築実例紹介 | 戸建住宅 | 〈公式〉三井ホームバリアフリー対応も設計に盛り込む
親が現時点では問題なく生活できていても、年齢が進むにつれて生活上の不自由を感じるようになるでしょう。親子で二世帯住宅を建てる場合、バリアフリー対応も考える必要があります。バリアフリー対応には、以下のような例が挙げられます。
- 親世帯の居住スペースの段差をなくす
- 床材を無垢材やクッションフロアなど転倒時の衝撃が少ないものにする
- 介助のため浴室やトイレのスペースを広く取る
- 車椅子に対応できるよう、廊下や出入り口を広く設計する
- エレベーターを設置する
- 快適な温度を保てるようにする
ハウスメーカーと設計を相談する際には、将来の介護計画も伝えておいた方がよいでしょう。親が介助が必要な状態になっても一緒に暮らすのかどうかで、必要なバリアフリー対応が変わってきます。
親子間でしっかり連携しながら進める
二世帯住宅の設計は、どちらかの世帯の希望だけで決められるものではありません。例えば、子ども世帯はプライベート重視で完全分離型を望んでいても、親世帯は同居型を希望しているケースもあります。
また、デザインの好みが親子で違うケースは少なくありません。二世帯住宅を建てるときは資金計画も含め、どちらかの世帯が決めるのではなく、親子世帯で綿密に連携しながら進める必要があります。
次世代にも引き継げる三井ホームの二世帯住宅

親子世帯で長く住みたい二世帯住宅は、三井ホームでの建築がおすすめです。三井ホームは長く快適に住み続けられる住まいを提供してきました。親子から次の世代まで引き継げる理由を、二つ紹介します。
標準仕様で住宅の基本性能が高い
三井ホームの住宅は、標準仕様でも以下の4分野で最高等級を獲得しています。
- 構造の安定
- 空気循環
- 劣化の軽減
- 維持管理・更新への配慮
これらはいずれも、建ててしまった後に等級を上げるのは困難です。特に構造の安定や劣化の軽減は、住宅寿命に大きく関わってくるでしょう。維持管理・更新への配慮の等級が高い点からも、長期的に見たメンテナンスの負担が減るという点で長く住むのに適しています。
さらに「断熱等性能等級」「高齢者への配慮」など二世帯住宅に必要な項目についても、個々の意向に合わせて最高等級に仕上げることが可能です。
長く住み続けるための手厚いサポート
三井ホームでは、暮らし継がれる住まいを提供するため、以下の長期サポートシステムを用意しています。
- 60年点検システム:引き渡し後60年まで、10年ごとに点検を実施(2年・10年・20年・30年までの点検は無料)
- 60年保証システム:点検の結果必要な有料メンテナンスの実施によって、基礎・構造躯体を最長60年まで
例えば35歳のときに5歳の子どもがいる状態で二世帯住宅を建てた場合、自分が95歳・子どもが65歳になるまでサポートは続きます。定期的なメンテナンスやリフォームはどうしても必要になりますが、自分と親の世帯が一緒に住んでいた家を、次は自分と子どもの世帯でシェアすることも可能です。
まとめ

二世帯住宅には「同居型」「一部共有型」「完全分離型」の3タイプがあり、建築にかかる費用の相場はタイプによって変わります。このうち最も相場が高いのは、2世帯それぞれに設備が必要な完全分離型です。
二世帯住宅の費用は、建物の大きさ(坪数)や間取り・設備のグレード・付帯工事の有無によっても変わってきます。希望する家の在り方や土地周辺の状況によっても変わるため、メーカーに概算見積もりをするのがおすすめです。
住宅ローンを組む場合、二世帯住宅だと複数の方法があるので、頭金など初期費用の準備と合わせて親子世帯でよく話し合いましょう。長く快適に住める二世帯住宅を建てるには、二世帯住宅の建築事例が多く公開されているメーカーを選び、バリアフリーにもしっかり対応できるメーカーを選ぶことが大切です。
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