手洗いスペースをスタイリッシュな仕様にしたい場合、気をつけたいのが他空間との親和性です。床や壁の色、タイルのデザインなど、周囲のインテリアと合わせたデザインを選ぶことで、統一感のある空間を演出できます。玄関や廊下などパブリックな空間に設ける手洗いスペースは、家族はもちろん、ゲストも使用することを考慮し、誰もが気兼ねなく使えるように、さりげなく壁を設けるなど、少し隔離することも大切です。汚れにくい素材を用いたり、こまめに片付けるなど、常に清潔感をキープしましょう。個室まわりに設置する場合には、その空間に合わせたテイストにすると、落ち着いた雰囲気の中でゆっくり手洗いができ、ウィルス対策にも効果的です。

ホールを広く確保するため框に角度をつけた玄関。右手の手洗いスペースは海をイメージしたタイルとステンドグラスで設えた。

最近の間取りの傾向のひとつとして、玄関スペースの多目的化が見られます。土間を広げたシューズクロークは、衣類やアウトドア用品を収納したり、作業ができるスペースとしても人気があります。多目的に使用する玄関付近に手洗いスペースがあることは、空間の使い勝手を高めるポイントにもなっているようです。また、玄関や廊下、個室付近に設けた手洗いスペースは、脱衣室・浴室と分離しているため、来客が手を洗う際にも安心です。適切な場所に配置するのと同時に、ゲストにも心地よく使ってもらえるよう、洗練された空間にしたいものです。

メインの洗面室と違い、コンパクトな空間に設置することが多い手洗いスペースは、小さな空間だからこそ、自由にデザインを楽しむこともできます。手洗い機能だけでなく、アイキャッチとしてオブジェのように魅せることも可能です。せっかく２つ目の手洗いスペースを設けるなら、とことんこだわりたいという方も多いでしょう。洗面ボウルや水栓金具の素材やデザイン、タイルや小物など、自分のこだわりや好みに合ったものを見つけて、理想の空間づくりにつなげましょう。