敷地にゆとりがあれば、住まいは平屋が理想的。広くて明るい住み心地に今も満足しています。

中庭に面したサンルームは冬でも暖かく、洗濯物や布団を干す場所としても活用されている。

以前は大阪に10年ほど暮らしていましたが、やがて子どもたちも大きくなって手狭になりました。それで私の父が昭和30年代に購入していた現在の土地に、家を建てようと考えたのです。当時は住宅展示場を回っていろいろな住宅メーカーのモデルハウスを見学しましたが、三井ホームを選んだのは、やはり建物の雰囲気が一番気に入ったからですね。それまでは2階建の家に暮らしていましたが、階段の上り下りは辛いし、敷地にゆとりがあるのなら平屋のほうが理想的だと思っていました。さらに部屋数はなるべく多く、どの部屋も明るい空間にしたい。そんな私の要望に対して三井ホームから提案されたのは、家の中心に中庭を設け、その周囲を部屋で囲むという斬新なプランでした。これにより室内は十分な採光が確保されて開放的で、家の外に対してはしっかりとプライバシーが保たれています。この中庭ではよく人を招いて、バーベキューを楽しんだものですよ。

リビングのウッドスクリーンという木製の格子扉はオリジナルの特注品で、サンルームやダイニングとの境、廊下側の出入り口の扉に使っています。三井ホームの建築家の方が見た目の美しさにかなりこだわり、格子の大きさをどのぐらいにするか、いろいろ試行錯誤して決めました。完全に閉じても光が透過するため、サンルームからの陽射しを和らげたり、隣接する空間を緩やかにつなげます。天井高は廊下にいたるまでほぼ2.7m。リビングの部分的な勾配天井も、平屋ならではの空間デザインですね。

わが家は回遊式の間取りなので、ダイニングにいても、中庭越しに帰宅した子どもたちの気配が伝わりました。当時、建築家の方も子育て中で、子どもに目が行き届かない間取りは良くないというお考えでしたね。おかげで子どもたちは素直に育ちました。この土地は日当たりがいいせいか植物もたいへんよく育ちますね。以前、室内にあったクリスマスツリーの樅の木を家の外に植えたところ、みるみる育って10mになりましたよ。昔は家の中から街が望めましたが、今は美しい緑の景観へと変わりました。

ダイニングキッチンは、インテリアコーディネーターならではのアイデアが随所に生かされています。キッチンの床はダイニングより一段下がっていますが、これはキッチンに立ってカウンター越しにダイニングテーブルの椅子に座った家族と話すとき、目線の高さが合うようにという配慮なのです。キッチンはあまりオープンにしたくなかったので、ダイニングとの間には収納と目隠しを兼ねた造作家具をオリジナルでつくっていただきました。食器もたくさんあるので収納が多くて助かりましたね。