家にも庭にもたくさんの思い出があります。年月が経っても建て替える気にはなりませんでした。

古いライティングビューローは飾り棚として玄関ホールのフォーカルポイントとなっている。

父がこの家を建てたのは私が10代の頃。「これがいい」と即決したそうです。でも、すでに体調を崩していた父は建てて5 年ほどで亡くなってしまいました。その後は、2人の姉も嫁いで、私も就職して家を離れ、しばらく母ひとりに。私が海外勤務を経て、妻子とともにこの家に戻ったのは1998年のこと。庭を整理し、外壁も緑からホワイトへ。窓まわりの装飾は新しく付け替えました。赴任先のロンドンでは築150年の家で生活していたこともあり、住まいに愛着を持ち、手を入れながら暮らすのは当たり前だと思っていました。家にも庭にも思い出が積み重なっていますしね。建て替える気にはなりませんでした。

わが家の延床面積は45坪ほど。全体的にゆったりとしたつくりです。階段は吹き抜けになっていて1階のリビングと2階の部屋を緩やかにつなげてくれています。玄関も居室もとても広く感じますね。リビングからボウウィンドウを通じて庭の景色が眺められるのもいい。四季や天候の移り変わりが見てとれます。庭が広いので子どものお友達もよく来てうちが遊び場になっていました。どたばたと暮らしていた時期もありますが三井ホームの家はしっかりしていますね。階段はきしまないし、ドアも当時のまま。大きな地震があってもびくともしません。まだまだこの先も安心して暮らせます。

1階のホール右側は、広い応接間でしたが、今は改装して私たち夫婦の寝室として、ピアノも置いてゆったりと使っています。ホール左側のLDKは、キッチンを改築した際に、リビングの内装も一新。明るい雰囲気の空間に替えました。今の私たちにとっての住みやすさを考慮して手を入れていますが、照明器具はそのままですし、家具や什器などもなるべく生かして、雰囲気を大きく変えないようにしています。家族が安心して帰れる場所として守っていきたいですね。

海外赴任からこの家に戻って、庭仕事が趣味になりました（笑）。母ひとりでは手が回らなかったので、庭木を剪定して、雑草を抜いて。業者にも依頼しましたが、ちょっとしたことなら自分でやってしまいますね。梅にアジサイにモクレンにツツジ、サルスベリと季節ごとに花が楽しめます。最近、バラも植えました。藤棚の下でのバーベキューは今でもわが家の恒例行事です。