ニュースリリース

2021.06.17
枠組壁工法による日本最大級の木造マンション
「(仮称)稲城プロジェクト」上棟
ZEH-M(Oriented)認定取得〈予定〉
国土交通省令和2年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)
採択名:「木でつくるマンションプロジェクト」

三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:池田 明)は、2020年11月に東京都稲城市において着工した木造大規模中層マンション「(仮称)稲城プロジェクト」(5階建て1階RC造、2階~5階木造枠組壁工法)が2021年5月に上棟したことをお知らせいたします。

木造大規模中層マンション「(仮称)稲城プロジェクト」外観図

本プロジェクトでは、国内最高レベル(壁倍率30倍)の高強度耐力壁や、高性能遮音床システムなど、中高層建築物の木造化への課題を克服する普及性の高い要素技術を採用し、「国土交通省令和2年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されています※1。また、本建物は優れた断熱性能を有することから、入居者の快適な居住性と一次エネルギー消費量※2削減に資するZEH-M(Oriented)※3の認定を取得する予定で、政府が表明した「2050年カーボンニュートラル宣言」にも寄与するプロジェクトとなります。

当社は、本事業を通じて「木造マンション」という新たなカテゴリーを創出し、中層建築物の木造化・木質化を促進することで、さらなるCO2排出量削減、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

本プロジェクトにおけるCO2低減への取り組み

■ZEH-M(Oriented)認定取得、一次エネルギー消費量を約30%低減
我が国のCO2排出量の約16%※4が家庭部門から排出されるとの報告があるなか、集合住宅のZEH割合は1%未満と低く、今後の普及が課題とされています。本プロジェクトでは、高い断熱仕様によりZEH-Mの認定基準を超える「一次エネルギー消費量削減率」を実現し、入居者の快適な居住性に寄与します。

集合住宅におけるZEH-M普及状況 集合住宅におけるZEH-M普及状況
一次エネルギー消費量削減率 一次エネルギー消費量削減率

■木造化により建設時のCO2排出量を大幅に削減
木は鉄やコンクリートに比べて製造時や加工時、建物建設時に必要とされるエネルギーが少ないため、CO2の排出量の大幅削減を可能にします。

  • ※1:本プロジェクトの詳細については、下記着手時のリリースをご参照ください。
    https://www.mitsuihome.co.jp/company/news/2020/0929.html
  • ※2:石油・石炭・天然ガス等の化石燃料、原子力の燃料であるウランなどのエネルギーのことを「一次エネルギー」といい、その消費量のこと。
  • ※3:ZEH-M Oriented(ゼッチ・マンション・オリエンテッド)とは、「断熱性能などを大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入によって室内環境の質を維持しながら大幅な省エネルギーを実現させ、かつ、共用部を含むマンション全体での一次エネルギー消費量を20%以上削減することを目指したマンション」のこと。
  • ※4:環境省「2019年度(令和元年度)の温室効果ガス排出量(確報値)」より引用。
家を建てる時のCO2排出量比較図
家を建てる時のCO2排出量比較
出典:
林野庁「平成23年度森林・林業白書」P61、図Ⅱ-5
数値はCASBEE評価に基づく林野庁試算
試算条件:床面積120㎡の場合

本プロジェクトにおけるCO2低減への取り組み

■最高ランクの耐久・断熱・省エネ性能
住宅性能表示制度における3つの最高ランクを取得。高い耐久性と省エネ性能を実現しています。

最高ランクの耐久・断熱・省エネ性能 最高ランクの耐久・断熱・省エネ性能

■壁倍率30倍の高強度耐力壁を独自開発
国内において、中層の建築物を木造化する場合、規定の構造性能と耐火基準を満たすためには、構造壁が厚くなることなどが設計上の課題とされてきました。
その課題を解決するために、枠組壁工法においては、国内最高レベルの壁倍率30倍の高強度耐力壁を開発。これにより、従来と比べ壁厚を約半分に減らすことができ、建物の有効床面積が増加し、設計自由度も高まります。

壁倍率30倍の高強度耐力壁

■鉄筋コンクリート造と同等クラスの高性能遮音床システム
木造建築はこれまで、鉄筋コンクリート造に比べて工期短縮や建物軽量化等のメリッメリットがある反面、遮音性の確保が大きな課題とされてきました。本プロジェクトでは、鉄筋コンクリート造の集合住宅で求められる要求性能(重量床衝撃音LH-55以下、軽量床衝撃音LL-45以下)と同等程度の遮音性能を実現します。

Muteイメージ図
Muteイメージ図

■木造建築の可能性が広がる「NLT」材を採用
北米で100年以上前から利用されてきた「NLT」は、建物に木質感を醸し出し、意匠デザインの幅を広げる構造材です。日本では2020年8月に日本ツーバイフォー建築協会から準耐火構造大臣認定※がリリースされ、準耐火建築物への採用が可能となりました。短い製材を継いで長尺のパネルが製作できるため「大空間」の設計で利用可能なことに加え、特別な生産設備が不要であり、資材調達におけるコストメリットも期待されます。本プロジェクトでは、一部の床組みとして使用し生産や施工の検証を行っています。

  • ※床版が2020年4月、屋根版は2020年6月に認定取得。
「NLT」材

■国産材(長野県産・北海道産)の活用
国内初の試みとして、国産材(信州カラマツ)による大断面の枠組壁工法用製材(2×10材)を床組みの一部として採用しています。日本の森林は、立木の大径化と利用促進が課題となっており、本規格材は新たな国産材の用途として今後の活用が期待されています。さらに三井不動産グループの保有林(北海道)で伐採適期を迎えた木材や間伐材を軒裏や内装材として活用します。

国産材(長野県産・北海道産)

三井不動産グループのSDGsへの貢献について

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/esg_csr/

三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進しております。三井不動産グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society 5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。
*なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における5つの目標に貢献しています。

目標3
すべての人に健康と福祉を
目標11
住み続けられるまちづくりを
目標12
つくる責任つかう責任
目標13
気候変動に具体的な対策を
目標15
陸の豊かさも守ろう
SDGs
earth with good
本件に関するお問い合わせ先

三井ホーム株式会社 広報部 広報グループ: 03-3346-4649

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