2015.06.10
入居者にやさしい、木造高齢者施設の事業領域拡大へ
国内初、ツーバイフォー4階建て有料老人ホームが完成
~医療法人光陽会「あっとほーむ鎌倉山」~
三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:市川俊英)は、ツーバイフォー工法(枠組壁工法)では国内初となる4階建て有料老人ホーム(事業主:医療法人光陽会 鎌倉ヒロ病院)が平成27年6月、神奈川県鎌倉市に完成したことをお知らせいたします。
この施設は、木造でありながら、火災から入居者の安全を守る高い耐火性能を確保した「耐火構造」となっているのに加え、独自の構造用金物を採用することで高い強度を確保するなど、先進の技術を取り入れながら、鎌倉山の麓に位置する緑豊かな閑静な地で「安心、安らぎ、集い」をコンセプトとした本物の木のぬくもりが感じられる老人ホームとなっています。
当社は、成長事業と位置づける施設系建築「with wood(ウィズ・ウッド)」において、構造強度や空間創造の柔軟性、経済性など、技術や品質をますます進化させ、地球環境と人に優しい木造による医療・福祉施設、文教施設、商業施設などの大型施設系建築事業の拡大を目指してまいります。

1.建物概要
- 建設地
- 神奈川県鎌倉市笛田5丁目2-15
- 建物用途
- 住宅型有料老人ホーム(70室)
- 構造・階数
- 木(枠組壁工法)造 地上4階建て 耐火建築
- 建築面積
- 654.44㎡(197.96坪)
- 延床面積
- 2384.02㎡(721.16坪)
- 完成
- 2015年 6月
- 事業主
- 医療法人光陽会 鎌倉ヒロ病院
- 設計・施工
- 三井ホーム株式会社
2.構造の特長(当社独自開発の構造用金物「ロッドマン」)
4階建ての1階部分の壁の端部では、より大きな引抜耐力が求められます。この引抜耐力の確保のために、短期許容耐力が200kNとなる当社独自開発の構造用金物である「ロッドマン」を採用しています。「ロッドマン」は、通常の3階建て以下で使用しているホールダウン金物の1.3倍の強度を発揮し、建物の中でより高い強度を求められる部分で使用されます。
また、本施設の大きな特長として、4階建てであっても3階建て以下で通常使用する住宅用部材がそのまま利用できることが挙げられます。今回も基本構造には通常の住宅と同じ2×6を採用し、独自開発の構造用金物「ロッドマン」以外の特殊部材の使用はほとんどなく、結果として、建設コストの削減や、工期の短縮といった効果を実現しています。

当社独自開発の構造用金物「ロッドマン」
なお「ロッドマン」と同様の機能を有する金物は北米などの木造建築物で広く採用されており、6階建てをはじめ、木造枠組壁工法による中高層建築物が多数建設されています。

<参考>
■冷暖房のランニングコストを削減します
当社建築の介護施設は、断熱性と気密性に優れており、冷暖房稼働期間を短縮でき、日常の設定温度を抑えめにすることが可能となります。RC造に比べて冷暖房のランニングコスト節約が可能で、環境への負荷も軽減できます。

■木造校舎で実証された健康効果
近年、全国的に広がりを見せている木造校舎では、インフルエンザによる学級閉鎖率がRC造の約半分に抑えられています。木の持つ湿温調整機能による健康効果を示す事例の一つです。

■弾力性のある床が骨折事故を防ぎます
「木」の施設は鉄骨造やRC造と異なり、床が適度な弾力を保持しています。このため転倒しても大けがにつながりにくく、その安全性の高さが注目されています。また、足腰への負担も軽く、介護にあたる職員の方々の労働環境改善も期待されています。
■事例紹介(三井ホームの大型施設系建築の実績は全国に広がっています)
当社の枠組壁工法は、木造建築ならではの木の温もりを生かした、地球環境負荷の少ない工法です。建築コストが抑えられ、工期も短く、原価償却期間が短いなど、経済的に多くのメリットがあります。また、木の持つ断熱性能は冷暖房効果が高いだけではなく、健康効果も実証されています。
三井アウトレットパーク木更津
- 主用途
- 店舗
- 構造
- 2×4工法
- 階数
- 地上1階
- 面積
- 860㎡(約260坪)
- 建設地
- 千葉県木更津市

(株)みらい「植物工場」
- 主用途
- 植物工場
- 構造
- 2×4工法
- 階数
- 地上1階
- 面積
- 1286.23㎡(約389坪)
- 建設地
- 千葉県柏市

銀座2丁目木造耐火5階建て
- 主用途
- 店舗・共同住宅
- 構造
- 2×4工法
(1階はRC造)
- 階数
- 5階建て
- 面積
- 212.05㎡(約64坪)
- 建設地
- 東京都中央区

「」ロゴについて
三井不動産グループでは、グループのロゴである「(アンド)」マークに象徴される「共生・共存」、「多様な価値観の連繋」の理念のもと、グループビジョンに「
(アンド・アース)」を掲げ、当社グループのまちづくりが常に地球とともにあることを認識し、人と地球がともに豊かになる社会をめざしています。
「(アンド)」マークの理念とは、これまでの社会の中で対立的に考えられ、とらえられてきた「都市と自然」「経済と文化」「働くことと学ぶこと」といった概念を、「あれかこれか」という「or」の形ではなく、「あれもこれも」という形で共生・共存させ、価値観の相克を乗り越えて新たな価値観を創出していくもので、平成3年4月に制定されました。
三井ホーム株式会社 広報部 広報グループ : 03-3346-4649