2014.10.01
『2014年度グッドデザイン賞』3点受賞
~3年連続で複数受賞~
- 進化した木造枠組壁工法「プレミアム・モノコック構法」
- 健康空調システム「スマートブリーズ」
- 木造建築床遮音システム「Mute55(ミュート55)」
三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:市川俊英)は、このたび公益財団法人日本デザイン振興会主催の『2014年度グッドデザイン賞』において、以下の3点が受賞しましたのでお知らせいたします。なお今回の受賞で当社は3年連続の複数受賞となります。
受賞した3点は、オリジナル技術である、進化した木造枠組壁工法「プレミアム・モノコック構法」、構造の超高気密・高断熱化で空調馬力のダウンサイジングを実現した健康空調システム「スマートブリーズ」、RC造に匹敵する遮音性を木造で実現した「Mute55(ミュート55)」となります。
今年創立40周年を迎え、新たなコミュニケーションワード「オーダーメイドプライド。」を掲げる当社では、今回の3年連続での複数受賞を契機に、デザイン力にさらなる磨きをかけるとともに、優れた耐震性、耐久性に加えて、高断熱・高気密を生かした快適で健康なこだわりの住まいづくり進めてまいります。
※ グッドデザイン賞は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する、総合的なデザインの推奨制度です。その母体となったのは、1957年に通商産業省(現経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」であり、以来50年以上にわたって、私たちの暮らしと産業、そして社会全体を豊かにする「よいデザイン」を顕彰し続けてきました。
その対象はデザインのあらゆる領域にわたり、受賞数は毎年約1,000件、55年間で約40,000件に及んでいます。グッドデザイン賞受賞のシンボルである「Gマーク」は、すぐれたデザインを示すシンボルマークとして世界中で広く親しまれています。
2014年度グッドデザイン賞受賞項目
【住宅・住空間向けの工法部門】
・進化した木造枠組壁工法「プレミアム・モノコック構法」
- 審査委員評価コメント
- 屋根、壁、基礎すべてを一体化する発想がよく、さらに断熱を加えて完成度を高めている。木造枠組工法の持つ堅牢性を、壁の厚みを増して耐震、耐火、遮音などの基本性能に加えて、強度や断熱性を向上させ、より自由度が高く快適な室内環境を実現した構法である。
「プレミアム・モノコック構法」は、一般的な枠組壁工法(モノコック)に当社オリジナル技術である屋根(6インチダブルシールドパネル)※1、外壁(2×6ウォール)※2、基礎(マットスラブ)※3を融合させた当社独自の木造枠組壁工法です。木の温かみを感じられる住まいでありながら、基本性能(耐震性、耐火性、耐風性、耐久性、遮音性)を高めるとともに、住まい心地の向上と災害に対する安全性を大幅に強化しました。外壁の厚さを4インチから6インチ(実寸では89mmから140mm)へ厚くすることで強度が増し、開放的な吹き抜けや大開口を実現することが可能になりました。また、飛躍的な断熱性の向上により、居住者の快適性や健康維持・増進に寄与し、冷暖房のランニングコストを大幅に削減します。
- ※1 北米生まれの高性能断熱パネルを国産化、圧倒的な断熱性の良さで、住み心地の向上と居住空間の広がりを実現。完全プレカット化により、大幅な工期短縮と現場での廃材ゼロを可能としました。
- ※2 断熱材の厚さは一般的な枠組壁工法の1.6倍。空調効率が約16%向上するという付加価値を生み出しました。また、断熱性に加え強度も高まったため、開放的で自由な空間設計を実現しています。
- ※3 オリジナルの構造解析システムにより高強度を確保し、コンクリートや鉄筋を削減しました。建設時のCO2排出量の削減に貢献し、コストダウンと工期短縮につなげています。
【住宅・住空間部門】
・健康空調システム「スマートブリーズ」
- 審査委員評価コメント
- 高気密高断熱住宅である「プレミアム・モノコック構法」に、建物全体を空調するシステムを組み込み、省エネルギーを計った住宅について、さまざまな側面から環境性能の実測や居住者へのアンケートを行い、居住性能を実証した報告である。これまで、自社物件を竣工引渡後に実測し、一般的な住宅と比較検証を行った例は少なく、貴重なデータである。この様な調査は、自社物件に限らず、広く実施されるべきである。
健康空調システム「スマートブリーズ」は、住宅メーカーとして「構造躯体技術」と「空調システム」を両輪で開発し、空調馬力のダウンサイジングを実現しています(エネルギー消費量を従来比18.5%削減)。従来よりも省エネルギー性を高め、自由度の高い住空間と健康・快適性を両立させました。特に、空調搬送ルートとなる小屋裏空間を、高性能屋根断熱パネル「ダブルシールドパネル」により居室並みの温熱環境としたことで、搬送時の熱損失を抑制するとともに、業界初の加湿機能により、最適な温湿度環境の健康・快適な住空間を実現しています。居住者への実測調査とアンケート調査により、従前の住まいと比べCASBEE健康チェックリスト※4の評点が向上し、カビやダニの繁殖も抑制されることが実証されました。
少子高齢化が急速に進む中で、住宅の居住環境性能の向上により予防医療に貢献することが課題となっています。我慢を強いる省エネではなく、健康と快適性を増進し、「暮らし心地」を高めながらの省エネと予防医療への貢献が、今後の持続可能な社会に必要であると考えています。
- ※4 一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が開発した住まいの健康性評価ツール。CASBEEウェブサイト上の「CASBEE健康」からアクセスし、50項目ある質問に答えると自宅の健康度が診断されます。全国6,000軒の戸建て住宅に対して行ったアンケートに基づき、レーダーチャートや部位別のランキングなど、さまざまな側面から住まいの健康状態がわかります。最大ポイントは132ポイント。
・木造建築床遮音システム「Mute55(ミュート55)」
- 審査委員評価コメント
- 木造住宅の最大の難点である床衝撃音に対する遮音性の問題に、正面から取り組み制震ゴムによって床材をスラブから浮かせる製品で、乾式工法によってリフォームにも対応可能な優れた工法を開発している。性能を体感させる商品の展示方法にも説得力があった。
ミュート55は、当社が独自開発した高性能床遮音システムです。RC造に匹敵する遮音性能を、環境にやさしい木造建築で実現しました。高い遮音性とやさしい歩行感を両立できた最大の要因は、制振ゴムとスプリングの最適配置にあります。音には子供が駆け回る音、スリッパのパタパタ音など多くの種類がありますが、幅広いレンジの音域に対応するため、2種類の硬度の制振ゴムを配置し、一方で優れた歩行感を実現するためスプリングを配置しました。
一般的な高遮音仕様の木造住宅の多くは、L-65※5程度の遮音性能です。これに対してミュート55の遮音性能はRC造並みのL-55であり、10デシベルの差があります。これは、L-65と比べ、下階に伝わる音が体感上、約2分の1程度に低減することを意味し、高遮音仕様の木造住宅に比べて、格段に優れた遮音性を有しています。
ミュート55は、遮音性確保のためにコンクリートを打設し、硬い床となるRC造に比べ、歩行感がやさしく、足腰への負担が少ないため、賃貸住宅にとどまらず、高齢者施設や文教施設、医院など、幅広い用途で使用しています。また、制振ゴムで支えられた「遮音床板」を構造躯体の床に乗せるだけでRC造に匹敵する遮音性を実現するため、施工が容易で、リフォームにも対応しやすいメリットがあります。
省資源や地球環境への配慮が、より一層求められるこれからの社会において、木造建築は大きな役割を担います。大規模建築や公共建築等の木造化を促進する重要な技術として、ミュート55の普及に努めています。
「」ロゴについて
三井不動産グループでは、グループのロゴである「(アンド)」マークに象徴される「共生・共存」、「多様な価値観の連繋」の理念のもと、グループビジョンに「(アンド・アース)」を掲げ、当社グループのまちづくりが常に地球とともにあることを認識し、人と地球がともに豊かになる社会をめざしています。
「(アンド)」マークの理念とは、これまでの社会の中で対立的に考えられ、とらえられてきた「都市と自然」「経済と文化」「働くことと学ぶこと」といった概念を、「あれかこれか」という「or」の形ではなく、「あれもこれも」という形で共生・共存させ、価値観の相克を乗り越えて新たな価値観を創出していくもので、平成3年4月に制定されました。
三井ホーム株式会社 広報部 広報グループ : 03-3346-4649