
WORKS
大胆リフォームで生まれ変わった、
ホテルのような大空間。
MAY.20.2017
今回ご紹介するのは、築15年の自宅の大規模リフォームに着手したSさん邸。セカンドライフを見据え、落ち着いた色調でまとめた内装と、リビング、和室、セミオープンタイプのダイニング&キッチンと細かく仕切っていた間取りを見直すことに。目指したのは、内と外、部屋と部屋の境目のない、開放的な大空間だという。
「機能面では、これから先の人生を考えてバリアフリーを希望しました。家で過ごす時間が長くなるライフスタイルに寄り添うよう、デザイナーズホテルのように明るく開放的な家に作り変えたいと思いました」
なだらかな寄棟屋根と深い軒という特徴的な外観デザインはそのまま、インテリアを一新。“非日常”をテーマにしたひと続きのLDKは南側に設けたウッドデッキへと緩やかにつながっており、白を基調にしたインテリアと相まってホテルを思わせる雰囲気に。“家の顔”ともいうべき玄関ホールのデザインも、もともとあった玄関収納を取り払って開口部を広げるとともに、窓を設けて明るく広々とした造りに改めた。
Sさんのお気に入りは、スタイリッシュかつ手入れも簡単になった水回りだ。浴室の間仕切りはガラス貼りに変え、洗面室とトイレをつなげたオープンなスペースに。浴室の床には冬場の冷たさを解消するサーモタイルを貼った。洗面室の壁と床もタイル貼りに変更したことで、掃除が俄然、楽になったと妻にも好評だとか。
「家族全員、料理も食べることが大好き」という一家の趣向を反映して、家族みんなが集まるキッチンはリビングダイニングとつながるアイランドスタイルを選択。加えて“非日常感”を演出するため、作り付けのパントリーや収納スペースを充実させて「見せない」収納を徹底させている。
「もうひとつ、我が家には愛犬1頭と愛猫2匹と動物が多いので、ペットとの快適な暮らしもリフォームのテーマとしていました」
愛犬の動きやすさを考えた床材を選択し、キッチンに隣接するユーティリティスペースはペットコーナーとして独立させている。この部屋にはキッチンから様子を覗ける小窓も設けてある。リビングの壁の一部に消臭機能のあるタイル建材「エコカラット」を採用したが、気になる匂いを防ぐばかりかマットな質感がインテリアのアクセントにもなってくれている。
すべてにおいて大満足となった今回のリフォーム。リフォームを成功させるためにはいくつかコツがあるらしい。
「あらかじめ希望のイメージを具体的に詰めておき、それをハウスメーカーに提案するのがいいでしょう。私たちはそれぞれの部屋に合わせる家具まで決め打ちして打ち合わせに臨みました。そして新築時にお願いしたハウスメーカーに依頼するというのも大切なポイント。図面を持っているし細かな構造も理解してくれている上、ある程度の関係性が築けています。こちらの好みをわかってくれているから、ストレスなく進められました」
開放的な空間で叶えた、ペット3匹との快適暮らし。Sさんのセカンドライフはますます充実していきそうだ。
texte : RYOKO KURAISHI