2018.05.01
大規模建築の木造化を推進
ツーバイシックス木造3階建オフィスビル完成
三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:市川 俊英)は、グループ会社の三井ホーム北海道株式会社(本社:札幌市北区 社長:田口 修)が木造の新社屋「三井ホーム北海道 札幌ビル」へ4月28日に移転して営業を開始したことをお知らせいたします。
木造による大規模建築は従来防火上の問題などにより規制されていたものの、昨今はその性能における実証実験等により問題点はクリアされ施工件数も大きく増加しています。そのような状況下で木造化による以下のようなメリットが認識されています。
- 軽量でありながら強い耐震強度をもち、基礎工事などのコストが低減できる
- パネル化など現場作業の合理化により工期が短縮されコストダウンにつながる
- 木材の持つ低い熱伝導率によりやさしく暖かなぬくもりで空間を満たす
- 弾力性のある床が高い安全性と足腰への負担を緩和する
アメリカでは西海岸エリアを中心に、コンドミニアムなどの中層集合住宅建築物はその約8割が木造のコンドミニアムとなっており、我が国においてもそれにならい平成22年10月に施行されました「公共建築物等木材利用促進法」に基づきまして、非住宅分野における大規模建築の木造化は一層強く推進されています。
そのような中でもオール木造によるオフィスビルはまだ施工例も少なく、この度完成する新社屋は木造オフィスビルとして面積的にも北海道内最大級のものとなります。
本建物の特徴は木造のツーバイシックス工法でありながら
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- 屋根構造はこのエリアの設計条件である積雪140cmの積雪荷重に耐える強度を確保。
- 床、屋根の構造材にはトラスを使用し大空間を実現。(2支点間の距離は最大9.1M)
- 木造3階建て 延床面積1372.66平米(415.22坪)60分準耐火建築物
床組みに使用されているトラスは、当社独自開発のステンレス製接合金物「コネック」を接合部分に使用した、「平行弦トラス」※1です。また、小屋組に関しては、無落雪の屋根に利用する緩い勾配をつけた「無落雪トラス」を使用しています。平行弦トラス及び無落雪トラスは工場にて制作し現場作業が少なくなる為、工期短縮にも寄与しました。
弊社グループは、今後も地球環境と人に優しい木造における医療・福祉施設、文教施設、商業施設などの大規模施設系建築事業の拡大を目指してまいります。
- ※1 平行弦トラスについて
平行弦トラスは、トラス構造(複数の三角形による骨組構造 梁材として高い強度をもつ)のうち、梁となる上弦材と下弦材が平行に配置(写真参照)されたトラスです。
弊社の平行弦トラスには、当社独自開発のステンレス製接合金物「コネック」を接合部分に使用し、今まで木造で不可能とされていたロングスパン(大空間)の建築を可能としました。また、「コネック」の材質はステンレスを採用し錆びにくく、さらに重量も軽いため建物全体の荷重を軽くでき、建物の耐震性能も高まります。トラスの特性でもある隙間を利用して設備配管を計画する事で、断面の欠損や下がり天井も無く、効率的な空間が可能となりました。
大規模木造建築のメリット
1、室内有効面積の最大活用と大規模建築を可能に
枠組壁工法(2×6材使用)による大規模木造建築物は、木材を使用したモノコック構造であり、高い耐震性能を持ちながら室内側に柱型が出ないため、室内有効面積を最大に活用することが可能です。また、高い耐火性能により6階建ての中層建築物や3,000㎡を超える大規模な耐火建築も可能としています。
2、コストダウン
建物重量が軽いため基礎工事や地盤補強工事などの軽減、工期も短くなる為に人件費や機材レンタル費も軽減され、また、平行弦トラス等を工場で製造する等で、工事費用が1~2割程度抑えられる。
3、地球環境にやさしい
「木」は、鉄やコンクリートに比べ建築時におけるエネルギー消費量が少なく、排出されるCO2の量も少ない材料です。また、地球温暖化の原因である CO2を吸収し炭素として体内に固定化する「木」は、計画的な伐採と植林、育林によって再生可能な循環資源であり、それを構造材として使う木造枠組壁工法(2×6工法)は、地球環境にやさしい建築物です。尚、本建築では国産材の構造用合板を使用しており全体の使用木材の約25%にあたります。
建物概要
- 建設地
- 北海道札幌市北区北10条西2丁目1番地2
- 建物用途
- オフィスビルディング(事務所)
- 構造
- 木造(枠組壁工法)
- 階数
- 地上3階建
- 敷地面積
- 596.97㎡(180.58坪)
- 延床面積
- 1372.66㎡(415.23坪)
- 完成予定日
- 2018年4月27日
- 設計
- 三井ホーム北海道株式会社
- 施工
- 三井ホーム北海道株式会社
三井ホーム株式会社 広報部 広報グループ: 03-3346-4649