ニュースリリース

2003.08.26
<資料>
免震システム「M-400」の構造と開発経緯

<参考資料>

【「M-400」について】

1. 免震システム「M-400」の構造

装置の種類
転がり方式免震支承

基本構造
水平方向の揺れを吸収する「ボールベアリング支承」と、基礎と建物とのずれを抑制する「オイルダンパー」の組合せで地震力を低減します。

「ボールベアリング支承」
建物基礎に設置する円錐状の受け皿と、建物に取り付けるボールベアリングで構成されます。ボールベアリングの摩擦係数はμD=0.017と極めて小さく、平常時には円錐状の受け皿の中心(最下点)に位置していますが、地震時には受け皿の上面を転がって、建物に地震力が伝わるのを防ぎます。
地震が止まると、自然に元の位置に戻るように設計されています。

ボールベアリング支承の動作イメージ

「オイルダンパー」
シリンダーとピストンで構成され、一方を建物基礎に、他方を建物に取り付けます。ピストンが伸縮する際に発生する抵抗力によって地震力を減衰し、ボールベアリング支承の変位(建物と基礎の間の変位)を制御する働きをしています。

その他特徴

  • 「M-400」は、上部構造の重量に左右されず免震効果を発揮でき、設置のための床構造や基礎構造の大幅な設計変更が必要ありません。
  • 固有周期がなく、さまざまな地震に対応します。
  • 軽量の建物(住宅)に最適です。

免震効果
地震力を5分の1から3分の1に低減(構造計算、応答解析、実大実験による)し、室内の家具の転倒を防止します。

2.「M-400」開発・改良の経緯

  • 「M-400」は、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災を契機に、鹿島建設株式会社(本社:東京都港区、社長:梅田貞夫)の免震床用に開発した技術と、当社の木構造技術を組合せ共同開発した、木造住宅用としては国内初の免震システムです。
  • 1996年2月に建設大臣認定(当時の法38条に基づく個別認定)を取得し、翌年9月から免震システム「M-400」の販売を開始しました。
  • 「M-400」採用第一号は、当社のコンピュータ事務センター(東京都稲城市)で、1996年7月に竣工しています。
  • 2003年4月7日に国土交通大臣の免震システム認定(認定番号MNNN―0691)を取得するとともに、建築場所の地盤状態に最適設計が可能となるようシステムを改良し、支持加重と受け皿の大きさが異なる支承部と減衰特性の異なるオイルダンパーを複数種類用意しました。
  • システム認定取得により評定料が不要となったほか、生産の合理化などによりコストダウンを進めていました。

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