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新築一戸建ての費用は?
内訳や種類ごとの費用、コスパを良くする方法
OCT.10.2025
近年は物価高が影響して、家を建てる際にかかる費用も高くなってきました。「新築一戸建てを建てるにはどの程度の費用がかかるのか」「建売と注文住宅でどれほど違うのか」など、マイホームの費用感に不安を抱く人は多いはずです。新築一戸建てにかかる主な費用の内訳と、住宅の種類ごとの特徴や価格帯の傾向を整理しながら、希望や予算に合った選択肢を検討するヒントを解説します。
POINT
- 新築一戸建てにかかる費用の内訳は、土地代・建築費・諸費用
- 新築一戸建ての取得費用は注文住宅・規格住宅・建売住宅の順に高い
- 新築一戸建ての費用を抑えて品質とのバランスを取るには、シンプルな設計や制度・メーカーへの相談を検討しよう
新築一戸建ての費用は「土地代」「建築費」「諸費用」の3つ
新築一戸建てにかかる費用を検討する際、「総額でいくら必要か」だけでなく、「何にどれだけかかるのか」を把握しておきましょう。マイホームの費用は大きく「土地代」「建築費」「諸費用」の3つに分けられ、それぞれの内訳や変動要因によって総額は大きく変わります。以下で各項目を順に解説します。
エリアや立地条件で変わる「土地代」
土地代は、建物本体とは別にかかる大きな費用です。エリアや立地・地形・道路付けなどによって価格が大きく異なるため、同じ広さでも場所によって必要な金額は大きく変わります。特に利便性の高い都市部では価格が高騰しやすく、郊外や郊外寄りの地域では比較的手頃な価格で取得できる傾向です。
旗竿地や変形地などは価格が抑えられる場合もありますが、建築や採光・将来的な資産価値への影響も含めて慎重に検討する必要があるでしょう。また、購入した土地に地盤改良が必要な場合、数十万円から百万円以上の追加費用が発生することもあります。
国土交通省「令和7年地価公示」によると、首都圏主要エリアの1平方メートル当たりの平均地価は以下の通りです(2025年7月28日時点)。
- 東京都区部:77万1,600円
- 神奈川県横浜市:25万7,000円
- 千葉県千葉市:14万800円
- 埼玉県さいたま市:23万8,400円
地価公示では、毎年地域ごとに細かく平均地価が発表されています。自分の地域の地価が知りたい場合は、国土交通省のホームページからチェックしてみましょう。
グレードや種類で幅が出る「建築費」
建築費には建物本体の工事費だけでなく、外構・地盤改良・電気ガスなどのインフラ工事、設計料なども含まれます。これらは「本体工事費」「付帯工事費」「設計料」といった項目に分けられ、それぞれの内容や水準によって金額が大きく変動する費用です。
例えば同じ延床面積でも、屋根や外壁の素材・断熱性能・住宅設備のグレードによって価格差が生まれます。複雑な形状の建物や中庭付きのプラン、吹き抜けなどの設計もコストを押し上げる要因です。自由設計でこだわりが多いほど、工事の手間や材料費が増えるため、建築費全体が高くなる傾向があります。
意外とかかる「諸費用」
住宅購入時には、建物と土地の費用以外にもさまざまな「諸費用」が発生します。代表的な項目は、登記に関する費用や不動産取得税、住宅ローン関連費(融資手数料・保証料など)、印紙税、火災・地震保険料などです。
これらの諸費用は物件価格の5〜10%程度が目安とされており、数百万円単位での出費になることもあります。
登記費用は、司法書士などの専門家に依頼するなら依頼料と登録免許税が必要です。登録免許税は不動産価額の1.5%(2027年9月1日以降は2%)がかかり、自分で手続きする場合でも変わりません。住宅ローンを利用する際には、事務手数料や保証料・団体信用生命保険料などの諸費用も発生します。これらは融資形態や金融機関の方針によって異なり、数十万円〜百万円規模となるケースも少なくありません。
仮住まいや引っ越し費用、家具・家電の新調なども見落とされがちな出費です。事前に諸費用を含めた総費用をシミュレーションしておくと、資金計画が立てやすくなるでしょう。
新築一戸建ては種類で費用が大きく変わる
「新築一戸建て」とひと口にいっても、その種類によって費用は大きく異なります。また、住宅の自由度や手間のかかり方なども変わってくるため、単純に価格だけで比較するのは賢明とはいえません。主な3種類の住宅タイプを取り上げ、それぞれの特徴と費用感を整理します。
注文住宅は費用も自由度も高い
注文住宅は、土地選びから建物の設計・仕様までを全て自分で決められる、自由な家づくりのスタイルです。ただ、間取りや設備・外観デザインなどにこだわるほど、建築費は高くなります。
外壁材や屋根の素材をグレードの高いものに変更したり、凹凸の多い外観や吹き抜けなど複雑な構造を採用したりすると、材料費や施工費が上乗せされます。また、入居までの期間が長くなることも多く、仮住まいの費用が発生するケースもあるため、資金に余裕がないと難しい可能性が高いでしょう。
国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査」によると、注文住宅の購入資金(リフォーム資金)の平均値は6,188万円、中央値は5,030万円となっています※。
※調査対象者:2023〜2024年度に住み替え・建て替え・リフォームを行った全国の世帯。注文住宅の回答票は505
規格住宅はコストバランスに優れる
規格住宅は国土交通省の資料で「請負型規格住宅」と呼ばれており、ゼロから選択するのではなく住宅メーカーなど家をつくる事業者が用意した規格に基づいて建設する住宅とされています。あらかじめ設計されたプランをベースとし、仕様や設備は選択肢の中から決めていく方式です。
基本プランに基づいて建てるため、打ち合わせの手間が少なく、全体の費用も明確になりやすい点が魅力です。工期が比較的短く注文住宅より早く入居できるケースも多いため、育児や仕事で忙しい家庭にも向いています。
国が公表している調査には「規格住宅」の資金データは含まれていませんが、費用感としては注文住宅と建売住宅の中間程度と推測されます。三井ホームでは、規格住宅の費用の目安を確認できる「価格シミュレーション」も提供しているので、具体的な費用感を知りたい場合は活用してみてください。
建売住宅は費用を抑えたい人向け
建売住宅は、土地と建物がセットで販売されており、既に完成済みまたは完成間近の物件を買う新築一戸建てのスタイルです。間取りや設備の自由度はほぼない反面、注文住宅や規格住宅より安価というメリットがあります。
「令和6年度 住宅市場動向調査」では、建売住宅(または分譲住宅、いずれも戸建て)の購入資金(リフォーム資金)は平均値4,591万円、中央値4,100万円でした。注文住宅より1,000万円近く安いことが分かります。
あらかじめ建てられた住宅を購入する形式のため、設計や施工の打ち合わせは不要です。新築一戸建ての入手費用を抑えたい人はもちろん、早めに入居したい・手間をかけずに新築住宅を購入したい人にとっては現実的な選択肢といえるでしょう。
新築一戸建ての費用を抑えるためにできること
限られた予算の中で理想のマイホームを実現するためには、ただ安さを追求するのではなく、工夫してコストバランスを整えることが大切です。注文住宅または規格住宅を前提として、打ち合わせの段階から考えたい工夫や活用できる制度・メーカーへの相談など、費用を抑えるために意識したいポイントを紹介します。
設計・仕様をシンプルにする工夫
新築一戸建ての設計段階で工夫できる点は少なくありません。例えば水回りの配置を集中させることで配管工事のコストを抑えられたり、間仕切りの少ない開放的な空間にすることで施工の手間が減ったりします。
屋根や外壁・内装をできるだけシンプルにすることも、材料費や足場代、人件費の節約につながる要素です。三井ホームでは、「明るい2階リビングのシンプルモダンな家」をつくりました。窓のラインをそろえる、外壁の色味にグラデーションを付けるなどの工夫でシンプルながらも洗練されたデザインに仕上がっています。
内装も過度な装飾はなく、白とブラウンを基調としたシンプルな構成です。シンプルであっても快適な生活空間はつくれます。もっと事例が知りたいという人は、豊富なカテゴリのカタログも用意しているので、ぜひ参考にしてみてください。
制度の活用や相談先の検討
新築一戸建ての費用を抑える上で見逃せないのが、税制優遇や補助金などの制度です。例えば「住宅ローン控除」は、一定の条件を満たした場合に所得税の控除が受けられます。ローン利用の初年度には確定申告で、2年目以降は年末調整でも適用が可能です。
国や自治体が実施する省エネ住宅への補助金事業なども、タイミングによって活用できるでしょう。2025年7月28日現在、国のポータルサイトで発表されている補助金事業は「子育てグリーン住宅支援事業」と「給湯省エネ2025事業」です。
無理のない資金計画を立てるには、信頼できる住宅メーカーや専門家に早めに相談するのも一つの選択肢です。三井ホームでは、家を建てた後の暮らしまで見据えた「ライフタイム・バリュー」の最大化を掲げ、資金に関する相談も受け付けています。
三井ホームなら注文住宅も規格住宅も提案可能
「どのような家を建てたいか」「どの程度の費用で建てられるか」は、新築一戸建てを買う上で避けて通れないテーマです。三井ホームでは、注文住宅と規格住宅の両方に対応し、お客さまのニーズに合わせた提案をしています。
こだわりを形にしたい人にも費用バランスを重視したい人にも、信頼して相談できる選択肢となるはずです。
「世界に一つの住まい」を形にする注文住宅
三井ホームでは、一邸一邸の設計に思いを込め、住まう人の理想を反映した注文住宅を提供しています。家族構成やライフスタイルに合わせた自由設計が可能で、間取り・デザイン・性能全てにおいて柔軟な対応ができるのが特長です。
また、将来的な住み継ぎや資産価値の維持も見据え、設計・構造・メンテナンスに至るまで高い品質基準を徹底しています。
コストと品質を両立するセレクト住宅(規格住宅)
三井ホームのセレクト住宅は、あらかじめ設計された複数のプランから選べる新築一戸建てのスタイルです。プランごとに暮らしやすさや機能性を考慮した設計が施されており、コストが明確になりやすい点が安心材料となるでしょう。
快適性と安心を支える独自技術も
三井ホームでは、高い断熱性・気密性を備えた構造や全館空調により、室温差の少ない快適な住空間を実現しました。独自の「MOCXWALL(モクスウォール)工法」をはじめとした耐震・耐久技術により、長期にわたって安心して暮らせる住宅性能も追求しています。
さらに構造部など目に見えない部分にも厳格な品質管理を実施し、住宅の性能と信頼性を高めているのが特長です。
まとめ
新築一戸建ての費用は主に「土地代」「建築費」「諸費用」の3つに分かれており、住宅の種類によっても大きく変わります。注文住宅は自由度が高い一方で、コストや手間もかかるため、計画段階での工夫や制度の活用が重要です。
三井ホームでは、自由設計の注文住宅だけでなく、コストバランスに優れたセレクト住宅(規格住宅)にも対応しています。希望や予算に合わせて、最適な住まいの形を検討してみましょう。