開業時に利用できる主な融資の種類
いずれの融資制度も表に挙げたようなメリット・デメリットがありますので、詳細を確認した上で、自院に合う融資先を決めましょう。
民間金融機関の一般貸付け(民間)
申し込み先 |
支店の融資係 |
特徴 |
- 担保物件がそろっていることが必要です
- 自宅のローンを借りるなど、日頃からの付き合いが必要です
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メリット |
- 都市銀行は、支店網、情報収集力、経営相談力に優れています
- 地方銀行は、地方での支店網、情報力、人脈に優れています
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デメリット |
- 交渉を有利に進めるための知識や準備が必要です
- 金利が公的融資制度に比較して割高である場合が多い
- 据え置き期間が公的融資制度に比較して不利な場合があります
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独立行政法人 福祉医療機構(公的融資制度)
申し込み先 |
代理店となっている民間金融機関 |
特徴 |
- 診療所枠の開業支援融資体制が整っています。
- 融資対象は建築資金(土地取得資金を含む)・機械購入資金・長期運転資金で使途別に設定されています
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メリット |
- 貸付期間が長期
- 据え置き期間が、民間に比べて比較的有利な場合があります
- 貸借利率が低く、固定金利が中心です
- 抵当権設定登記について登録免許税が免除されます
- 団体生命保険制度が利用できるので、院長死亡など万一の場合にも借入金が返済可能です
- 業界情報、行政情報、経営相談力に優れています
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デメリット |
- 診療所を新設する場合は、開設地の診療所が不足していることが融資対象となる条件になるため、地域によっては、融資が受けられない場合があります
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日本政策金融公庫(公的融資制度)
申し込み先 |
国民生活事業(旧国民生活金融公庫)の店舗窓口 |
特徴 |
- 中小企業対象の政府系金融機関です
- 開業に当たっては独立開業貸付、その後の経営に当たっては、普通貸付などがあります
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メリット |
- 比較的民間より利率が低く、固定金利です
- 抵当権設定当時の登録免許税が免除されます
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デメリット |
- 担保が必要な場合、評価が銀行に比べて厳しい
- 手続きの際、手間がやや面倒です
- 審査状況に違いが生じることがあります
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都道府県の融資制度(公的融資制度)
申し込み先 |
該当する融資の担当窓口 |
特徴 |
- 都道府県によって制度の有無・種類に違いがあり、事前に問い合わせが必要です
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メリット |
- 調達にかかる費用が比較的少額ですみます
- 利子補助、設備費補助、融資などを行っています
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デメリット |
- どんな制度があるか専門的な情報と知識が必要です
- 診療所が融資の対象に当てはまらない場合があります
- 少額しか借りられない場合が多い
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市区町村の融資制度(公的融資制度)
申し込み先 |
該当する融資の担当窓口 |
特徴 |
- 市区町村により制度の有無があるので事前に問い合わせが必要です
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メリット |
- 調達にかかる費用が比較的少額ですみます(都道府県と同じ)
- 利子補助、設備費補助、融資などを行っています(都道府県と同じ)
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デメリット |
- どんな制度があるか専門的な情報と知識が必要
- 診療所が融資の対象にあてはまらない場合があります(都道府県と同じ)
- 少額しか借りられない場合が多い(都道府県と同じ)
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医師会提携融資(公的融資制度)
申し込み先 |
医師会事務局 |
特徴 |
- 都道府県の医師会が全金融機関と提携し、会員に対して行っているものです
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メリット |
- 医師会の提携金融機関から比較的強力的に支援が得られます
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デメリット |
- 競合する他医師会会員との関係調整が難しい場合があります
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