憧れをかたちに。三井ホーム
三井不動産グループ MITSUI FUDOSAN GROUP

理想の家、理想の暮らし 03

出典:ELLE DECOR 2024年5月7日発売 No.185

心地よさを最優先した
妥協のない家づくり

人々の暮らしを真摯に見つめながら、木造の住宅づくりを手掛けてきた三井ホーム。創業50周年を記念して、多彩なクリエイターと共に理想的な住まいと暮らしを考える連載の第3回は、家電から家具・照明など、日常に寄り添うプロダクトを数多く生み出してきたデザイナー、柴田文江が登場。自らの住まいと空間づくりの歴史を振り返ってもらった。

Photos KEI OGATA(portrait) Hair&Makeup MASAKO MIWA Text SHIYO YAMASHITA


明るい光がたっぷりと差し込む、Design Studio Sのミーティングルーム。「ここに移ってから、ほっこりした気分で仕事するようになったんです」と柴田。フロアの一角には「何もない」空間が確保されている。

Fumie Shibata
柴田 文江
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。1994年にDesign Studio S設立。2018・19年度グッドデザイン賞審査委員長を務める。2022年より多摩美術大学美術学部統合デザイン学科教授。

デザイナー・柴田 文江
自由を与えてくれる「余白」を大切に納得したものだけと暮らす

快適に、自分らしく。理想の住空間はどうすれば手に入るのだろう? 私たちの暮らしに寄り添う、数多くのプロダクトを手掛けるデザイナーの柴田文江は、その一つの答えとして選択することと「余白」の必要性を挙げる。では、どのようにしてその時々の住まいにおける、最良のセレクトを行ってきたのだろうか。

「家や仕事場がものでいっぱいになってしまう、という話をよく聞きますが、私はそういう経験をしたことがありません。何もないスペースがないと、暮らしが煮詰まってしまうから、最初から置かないんです」 使途を限定しない空間の「余白」を大切にする柴田は、初めて一人暮らしを始めた時から身の回りのものを厳選してきた。

「18歳で上京した時、荷物は段ボール2箱でした。生活用品は友達にもらったマグカップだけ。引っ越してすぐに、お茶碗とお皿、電子レンジと冷蔵庫、それと卓袱台みたいな小さいテーブルを買いました。よく覚えているのは、冷蔵庫が真っ赤だったこと(笑)」 

その後、28歳で一軒家を購入する。「都心のマンションは高くて買えないし、中古の家を買ってリノベーションするのは面倒」と考え建売住宅を選択。だが購入時はまだ更地だったので、床や壁の素材、間取りなどがリクエストできたと振り返る。引っ越す際には「間に合わせのものは絶対に買わない」と改めて決心。その考え方は今も変わっていないと柴田は言う。

「本当に欲しいと思っていないものを買うくらいなら、何もないほうがいい。最初はソファもなく、ラグの上にクッションを置いて暮らしていました。この経験が後にソファをデザインする時に役立ちました。その後、2回引っ越ししましたが、やはり最低限のものしか持って行きませんでした。逆にゼロから自分の空間をつくることって、面白いんですよね」

[Shibata’s Works]
「BROKIS / AWA」
水中を立ち上る泡の印象を形に

チェコ・ボヘミア地方で200年以上続くガラス工場で生産される、吹きガラスのペンダントランプ。「『カタチ』の中にしっとりとした印象を与えるのにガラスは最適な素材」と柴田。
「PC1129 アワM(白)」「PC1130 アワL(茶)」/ティストゥー


気分に合わせた家具選びで
暮らしのムードを変えていく

常にすっきりとした住空間をキープしていることには変わりがないが、選ぶものは少しずつ変化してきているという。

「事務所が六本木にあった頃は、インテリアもモダンにしたくて、黒い革張りのソファはピエロ・リッソーニ、テーブルはデヴィッド・チッパーフィールドのものを選びました。今の場所に移転して、緑を間近に感じる雰囲気の中で仕事するようになったら一気にモードが変わりましたね。ヴィンテージの家具が加わり、ソファは柔らかい質感のファブリックに張り替え、テーブルは手放しました。今も残っているのは、最初に家を購入した時に父が買ってくれたマルセル・ブロイヤーの『ワシリーチェア』くらいかな」

[Shibata’s Works]
「ITOKI / vertebra 03」
多彩な働き方に応える万能チェア

正しい着座姿勢に導く機構を守りつつ、時代に合わせて柴田が発想した、オフィス、プライベートを問わないデザインで人気のベストセラーチェア。カラーリングの選択肢も豊富。
「バーテブラ03」/イトーキお客様相談センター


いろいろと経験を積んで
「シンプル」をうまく
重ねられるようになりました 柴田 文江

そんな空間に最近加わったのが、岐阜の家具職人に製作を依頼した、美しいサクラ材の丸テーブルだ。「感性の合う職人さんに希望をうまく伝えることができれば、自分にぴったりのものが手に入ることに気付きました」

年を経るごとにものをミックスすることを恐れなくなり、「シンプル」をうまく重ねられるようになってきたという柴田。自身のものづくりにおいては「ただシンプルなデザインを追求するのではなく、使う人がものとの関わりを実感するような、しっとりと心に響く要素を加えていきたい」と話してくれた。

[Shibata’s Works]
「on NOYES / BOUNDARY」
普遍的で拡張性の高いソファ

全11種で構成されるユニットを自由に組み合わせて使えるシステムソファ。普遍的なフォルムにカットやステッチを加え新しさを表現。張り地には表情豊かなインポートブランドのファブリックがそろう。
「バウンダリー」/オン ノイエス


2023年にスタートした「三井ホーム セレクト」は、自分のライフスタイルに合う家を効率よく手に入れたい人に注目してほしい、規格型の注文住宅。柴田はこう語る。「手頃な価格のセミオーダー住宅ですが、三井ホームだからこその信頼感がある。家で自己表現する人が増えているので、住まいに関するさまざまな選択肢が加わってもいい」。コストや時間を抑えて上質な家が手に入れば、本当に欲しい家具や照明といった空間づくりやその後のリフォームなど、暮らしの「余白」も生み出せる。

[Mitsui Home Column]
Mitsui Home Select

品質が高くデザインに優れた家を
セミオーダー方式で実現

三井ホームが2023年にスタートした規格型の注文住宅「三井ホーム セレクト」。間取りやスタイル、インテリアテイストなど、いくつかの選択肢から選んでプランを決定。三井ホームの品質の高い住宅を比較的ローコストで建てることができる商品だ。

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