ニュースリリース

2023.01.20
4層木造と2層RC(鉄筋コンクリート)造の混構造 地上6階建て木造学生レジデンス着工
~東急不動産の学生レジデンスを当社の木造マンションブランド「MOCXIONモクシオン」で施工~

三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:池田 明)は、当社設計・施工の地上6階建て木造学生レジデンス(建築主:東急不動産株式会社)が2022年12月に神奈川県川崎市多摩区で着工したことをお知らせいたします。

外観イメージ
内観イメージ
【本物件の特長】
  • 地上6階建ての木造学生レジデンス(1~2階:RC 造、3~6階:木造(枠組壁工法))
  • 木造化により建設時のCO₂排出量を大幅に削減、多くの炭素が建物に固定化され脱炭素に貢献
  • BELS評価の「ZEH-M Oriented」を取得し、利用学生に快適な居住空間と良好な学習環境を提供

当社では、2021年にサステナブル木造マンションブランド「MOCXIONモクシオン」を立ち上げ、循環型資源である「木」を主要構造材に用いた木造マンションの普及・拡大に努めていますが、木造の「学生レジデンス(寄宿舎)」としても、木造とRC造の混構造の「6階建て」としても、本物件が当社初の取り組みとなります。
本物件では、3~6階の4層を木造化することで、建設時の CO₂排出量を大幅に削減し、多くの炭素が長期間、建物に固定化されることでカーボンニュートラルの達成に貢献します。また、木造の特性である高断熱性に加え、建物各所で高効率・省エネルギー設備を採用することで、BELS 評価の「ZEH-M Oriented」の取得を予定しており、地球環境にやさしく、利用学生にも快適な暮らしと良好な学習環境を提供いたします。

昨今では、2021年の「改正木材利用促進法」の施行や、昨年8月の「建築物木材利用促進協定」制度の創設などにより、民間建築物においても更なる木材利用促進に向けた環境が整備されつつあります。当社はこれまでに 5,700棟を超える木造施設系建築の施工実績がありますが、今後も木造マンション「MOCXIONモクシオン」を通じて、賃貸住宅から寄宿舎、社宅など多様な用途での需要の取り込みを図ることで、中層大規模建築物の木造化・木質化を促進し、SDGsや脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

1.プロジェクト概要

本物件は、東急不動産株式会社が開発する学生レジデンスシリーズ初となる、木造とRC造のハイブリッド(混構造)建築です。同社の脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、従前のRC造から循環型資源である「木」を使用する木造との混構造を選択され、多くの木造中層大規模建築物を手掛ける当社が施工することとなりました。

施設名称 (仮称)キャンパスヴィレッジ生田
所在地 神奈川県川崎市多摩区三田四丁目1番4(地番)
建築主 東急不動産株式会社
設計 施工 三井ホーム株式会社
管理運営 株式会社学生情報センター
建築用途 寄宿舎(学生寮)
総戸数 130戸
規模構造 地上6階建て・耐火建築物
(1~2階:RC造、3~6階:木造(枠組壁工法))
敷地面積 1551.19m²(469.23坪)
建築面積 767.37m²(232.12坪)
法定延床面積 3197.37m²(967.20坪)
工事工期 2022年12月着工~2024年3月竣工(予定)

2. 本物件の特長

■木造化により脱炭素社会実現に貢献

(1)建設時のCO₂排出量を大幅に削減し、建物に長期間炭素を固定化
「木」は鉄やコンクリートに比べて、製造・加工・運搬時に必要とされるエネルギーが少ないため、木造建築は建設時の CO₂排出量を大幅に削減します。また、「木」は生長過程で CO₂を吸収し、伐採後も炭素を固定化し続けるため、木造建築は長期間炭素を大気に戻さず、地球温暖化防止に貢献します。

家を建てる時のCO₂排出量比較イメージ

(2)森林の持続的なサイクルの構築に寄与
管理された森林において、CO₂吸収量が低下し伐採適期を迎えた「木」を製材として活用し、新たに苗木を植林することで森林は再生されることから、循環型資源である「木」を建物に活用することは、森林の保全とサステナブルな資材の供給に寄与します。

森林の持続的なサイクル

(3)BELS評価の「ZEH-M Oriented」取得により一次エネルギー消費量を20%以上削減
脱炭素社会の実現に向け、戸建住宅のZEH化が進むなか、2020年度の集合住宅における ZEH-Mの割合は約1.2%と低く、今後の普及が課題とされています。本物件は、高い断熱仕様により「ZEH-MOriented」の取得を予定しており、一次エネルギー消費量を建築物省エネ法により国が定める基準と比べ20%以上削減します。また、太陽光発電システムを10kW搭載しており、発電した電力を建物の共用部で使用します。

■木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)を採用

(1)高断熱な「木」と気密性・省エネ性に優れた枠組壁工法
現行の建築基準法では、6階建ての建物を建築する場合、1~2階を2時間耐火構造にすることが求められます。本物件では、経済合理性やプランニング上の特性を踏まえ、1~2階をRC造、3~6階の4層を木造の1時間耐火構造で設計しています。
また、木造枠組壁工法は鉄骨造やRC造と比較して、「木」そのものが持つ素材特性や構造上の特長から、断熱性能を高めるうえで有利な工法であるため、「ZEH-M Oriented」の認証基準をクリアするためにも、高い経済合理性を発揮します。

(2)タイダウンシステム「ロッドマン」を要所に用い安全性強化
中層木造建築物では、地震や台風により水平力が作用すると非常に大きな浮き上がり力が耐力壁に生ずるため、本物件では、3階建て以下で使用しているホールダウン金物の10倍以上の強度を発揮する当社オリジナル金物タイダウンシステム「ロッドマン」(当社の特許技術)を採用しています。

  • ※1:2016年に竣工した当社施工で最大規模の特別養護老人ホームである「花畑あすか苑」(5階建て、1階RC造、2~5階木造(枠組壁工法)、延床面積 9,773.24㎡)や2021年に竣工した木造マンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城、5階建て、1階RC造、2~5階木造(枠組壁工法)、延床面積 3,738.30㎡)」でも使用されている技術。
  • ※2:鉛直荷重や木材の乾燥収縮による建物の沈み込みに追従できる装置。

(3)「高性能遮音床システムMuteミュート」で上階の音を低減
集合住宅を建築する際、高い床遮音性能が求められます。本物件では、当社の独自技術である「高性能遮音床システムMute」を採用。コンクリートを使わず制振パッドを挟む方法で遮音するため、短工期でかつ木のやわらかさを残しながら上階の音の伝播を低減させ、RC造と同等クラスの遮音性能を確保します。

高性能遮音床システム Mute
制振パッド

3. 参考(当社の木造中層大規模建築実例)

<木造マンション>

MOCXION INAGI
(モクシオン稲城)

建築地 東京都稲城市
延床面積 3,738.30m²(1,130.83坪)
階数 5階建て
(1階:RC造/2~5階:木造枠組壁工法)
建物用途 賃貸マンション
竣工年 2021年

「MOCXION」につきましては、下記URLをご参照ください。
https://www.mitsuihome.co.jp/property/mocxion/

<木造施設系建築>

花畑あすか苑

建築地 東京都足立区
延床面積 9,789.47m²(2,961.31坪)
階数 5階建て(1階:RC造/2~5階:木造枠組壁工法)
建物用途 特別養護老人ホーム
竣工年 2016年

新田楽生苑

建築地 東京都足立区
延床面積 7,826.76m²(2,367.59坪)
階数 5階建て(1階:RC造/2~5階:木造枠組壁工法)
建物用途 特別養護老人ホーム
竣工年 2022年

その他の木造施設系建築実例等につきましては、下記URLをご参照ください。
https://www.mitsuihome.co.jp/withwood/

三井不動産グループのSDGsへの貢献について

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/esg_csr/
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわち ESG 経営を推進しております。三井不動産グループの ESG 経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。また、2021年11月には「脱炭素社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」に関し、下記の通りグループ指針を策定しました。今後も、三井不動産グループは街づくりを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。

参考
・「脱炭素社会実現に向けグループ行動計画を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1124/
・「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取り組み方針を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1129_02/

※なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における6つの目標に貢献しています。

目標3
すべての人に健康と福祉を
目標7
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
目標11
住み続けられるまちづくりを
目標12
つくる責任つかう責任
目標13
気候変動に具体的な対策を
目標15
陸の豊かさも守ろう
SDGs
earth with good
地上6階建て木造学生レジデンス着工 pdf[PDF版]
本件に関するお問い合わせ先

三井ホーム株式会社 広報グループ: 03-3346-4649

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