2017.04.19
枠組壁工法(2×6工法)による木造大規模倉庫が上棟
三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:市川俊英)のグループ会社である三井ホームコンポーネント株式会社(本社:東京都中央区、社長:渡部 一廣)が株式会社tvkコミュニケーションズ(本社:神奈川県横浜市、社長:関 佳史)施工のもとで部材供給及び建て方工事中の大規模木造倉庫が神奈川県横浜市に上棟致しましたことお知らせ致します。
2×6の壁と屋根部分のコネックトラス※1が確認できる。
当計画に際し、建築主は地球環境にやさしく周辺環境にも調和する建築を希望し、木材を使用した建築工法を望まれたため、大規模木造建築の実績を有する三井ホームコンポーネント株式会社に建て方施工を依頼し、建設工事が進められています。
用途は、木造大規模倉庫(一部事務所)であり、周辺環境への配慮及び太陽光発電設備の搭載も視野に、屋根形状を緩やかな片流れ※2としました。一方で全体の高さを抑えながらも内部の有効高さを確保するために、床組及び屋根構造材をコネックトラス※1構造とし、その内部に設備配線等を組み込んでいます。吹き抜け部分は、最大天井高さ 5.8m、スパン 16.2m、長さ 18.9mの大空間を実現し、屋根トラスは構造強度を計算の上、緩やかな片流れ屋根を形成するため1本1本異なる形状のものを使用しています。
当社グループは、成長事業と位置づける木造施設系建築事業の総称を「with wood」として展開しておりますが、このたびの大規模倉庫も含め、木造施設系建築における技術や品質をますます進化させ、地球環境と人に優しい木造における医療・福祉施設、文教施設、商業施設などの大規模施設系建築事業の拡大を目指してまいります。
※1 コネックトラスについて
コネックトラスは、当社独自開発のステンレス製接合金物「コネック」を接合部分に使用し、三角形状に組んだ骨組のことです。これにより今まで木造で不可能とされていたロングスパン(大空間)の建築を可能としました。また、「コネック」の材質はステンレスを採用し錆びにくく、さらに重量も軽いため建物全体の荷重を軽くでき、建物の耐震性能も高まります。トラスの特性でもある隙間を利用して設備配管を計画することで、断面の欠損や下がり天井なども無く、効率的な空間利用が可能となります。
※2 片流れ屋根の倉庫外観(南面)
構造の特徴
緩やかな片流れ屋根をトラスの高さを調整することで実現
屋根構造材は、強固に屋根を支え、大空間を実現するために、当社独自のコネックで緊結された幅約16mのトラスを使用しています。屋根形状を緩やかな片流れにするために、1枚1枚構造強度を計算し、高さや形状の異なるトラスを工場にて運搬可能なサイズで作製。搬入されたトラスを現場で結合し、5本ごとにユニット化。それらをクレーンで、壁面に掛け渡すことにより、施工時の作業効率と安全性を高めながら大空間を構成しています。
木造大規模倉庫のメリット
1、高い耐震性と耐火性により室内有効面積を最大に活用
枠組壁工法(2×6工法)による大規模木造施設建築物は、木造を使用したモノコック構造であり十分な耐震性能を備え、室内側に柱型が出ないため、室内有効面積を最大に活用することが可能です。また、高い耐火性能により平成16年に耐火構造の大臣認定を取得し、4階建ての中層建築物や3,000㎡を超える大規模な建築を可能としています。
2、地球環境にやさしい
「木」は、鉄やコンクリートに比べ、建築時におけるエネルギー消費量が少なく、排出されるCO2の量も少ない材料です。また、地球温暖化の原因であるCO2を吸収し炭素として吸収する「木」は、計画的な伐採と植林、育林によって再生可能な循環資源であり、それを構造材として使う木造枠組壁工法(2×6工法)は、地球環境にやさしい建築物です。
当該プロジェクト概要
- 建設地
- 神奈川県横浜市西区西平沼町6-1
- 主要用途
- tvk ecom park 内 事務所/倉庫
- 構造
- 木造枠組壁工法
- 耐火・防火の種別
- 準耐火建築物(45分準耐火)
- 階数
- 地上2階建
- 延床面積
- 713.94㎡(215.96坪)
- 着工日
- 2017年1月20日
- 上棟日
- 2017年4月18日
- 完成予定日
- 2017年6月26日
- 建築主
- 株式会社テレビ神奈川
- 設計
- tvkコミュニケーションズ 一級建築士事務所
- 施工
- 株式会社 tvkコミュニケーションズ
- 部材供給と建て方施工
- 三井ホームコンポーネント株式会社
「」ロゴについて
三井不動産グループでは、グループのロゴである「(アンド)」マークに象徴される「共生・共存」、「多様な価値観の連繋」の理念のもと、グループビジョンに「(アンド・アース)」を掲げ、当社グループのまちづくりが常に地球とともにあることを認識し、人と地球がともに豊かになる社会をめざしています。
「(アンド)」マークの理念とは、これまでの社会の中で対立的に考えられ、とらえられてきた「都市と自然」「経済と文化」「働くことと学ぶこと」といった概念を、「あれかこれか」という「or」の形ではなく、「あれもこれも」という形で共生・共存させ、価値観の相克を乗り越えて新たな価値観を創出していくもので、平成3年4月に制定されました。
三井ホーム株式会社 広報部 広報グループ : 03-3346-4649