愛猫と楽しく過ごす片流れの大空間
森に佇む美術館のような住まい

2023.12.14

遮るもののない大きな空の下で森の木立に包まれるように立つM邸。住宅というよりはまるで小さな美術館のようです。内部には大きな窓を設けたインナーテラスが続く大空間が広がり、ご夫妻と愛猫が四季を楽しみながら心地よく暮らしています。
(モダンリビング 2023年12月号 No.272掲載 / 取材・文:酒井 新)

高さ5mの大開口で楽しむ豊かな森の四季

インナーテラスの床はタイル貼り、天井はレッドシダー。道側の壁面も天井までの高さのガラス窓にしている。

 都市の中心部に立つマンションで暮らしていたMさん夫妻。郊外に広がる森の一角に土地を入手し、豊かな自然を楽しみながら愛猫とのんびり暮らす戸建ての住まいを計画しました。夫妻が望んだのは、小さな美術館のような佇まいで、大きな窓越しに雄大な自然が楽しめ、さらに愛猫が楽しく過ごせる家であること。キャットウォークはもちろん、鳥と遊ぶのが好きだからそのスペースもあればと、あくまでも愛猫が主役の家にすることが要望でした。
 木造住宅を手がけるハウスメーカーの中から3社を選んでプランづくりを依頼。三井ホームが提出したダイナミックで美しいデザインの住まいがひと目で気に入って、依頼を決めました。
 設計士とインテリアコーディネーター、外構デザイナー、まとめ役となる営業担当者でつくる三井ホームプレミアムの担当チームが提案したのは、片流れ屋根の美しい外観をもつ住まいです。偶然、自身も同じ種類の猫を3匹飼っていたという担当の設計士。どうすれば猫が楽しいかはよく知っていました。まず考えたのは、いつも飼い主の姿が見えて一緒に過ごせるワンルーム空間にすることです。「猫は個室に入れられてしまうと寂しがって扉を爪でガリガリ引っかいたりします。ご夫妻お2人の住まいということもあり、LDKをつなげるだけでなく、寝室も含めて家全体が1つの大きな箱となるようなプランを考えました。その空間のなかをぐるぐる回れるようにキャットウォークをつけています」
 さらに設計士は、「大きな窓で自然を楽しむ」「猫が小鳥と遊ぶスペース」という要望にも、片流れの屋根にすることで生まれる建物先端の天井の高い場所を有効に活用。リビングとフラットに続くインナーテラスや中庭を設けることで応えました。
最大の高さが約5mの開放感あふれる空間です。LDKの床は床暖房を入れたコンクリート、キッチンや収納キャビネットは硬質な素材感のなかにも柔らかさが感じられるモールテックスを採用。これは夫妻がぜひにと要望したものです。
 リビングやテラスで愛猫が楽しく気ままに暮らす姿が、夫妻に心和む時間を届けます。

天井の高い無柱の大空間が心を解放してくれる

上・片流れ屋根のシンプルな直線が美しい外観。できるだけ樹木を残して建物を配置した。

下・LDKの一角に中2階の高さに設けられたワークスペースからの眺め。キャットウォークが窓際に伸びる。購入が決まっていたガゲナウの冷蔵庫に合わせて壁をデザイン。横に木製のオープン収納棚を設けた。

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