ギャラリストに聞く、アートとの出合い方〈後編〉

2022.08.31

前回は、ギャラリストの小山登美夫さんから、現代アートを愛好するポイントや作品との出合いの場についてお聞きしました。では、手に入れたアート作品を、邸内ではどのように飾ればよいのでしょうか。東京・乃木坂にギャラリーを構える高砂三和子(たかすな・みわこ)さんにお話を聞くと、好みの作品を集め、独自の世界観をつくるアートコレクターもいらっしゃるようです。今回は芸術作品としての写真にも目を向け、MITSUI HOME PREMIUMでの展示例もご紹介します。

アートが、インテリアに深みを与える。

高砂三和子 Miwako Takasuna
西武百貨店、セゾン現代美術館で展覧会の企画やキュレーションを担当。独立後2006年に〈ギャラリー・アートアンリミテッド〉を開廊。ジャンルを問わず、流行に流されない芸術性に基づいた現代アートの普及に努めている。(Photo ⒸDaisuke Akita)
|ギャラリー・アートアンリミテッド http://www.artunlimited.co.jp/

MITSUI HOME PREMIUMのモデルハウスでは、世界的な写真家、マイケル・ケンナさんのオリジナルプリントが、上質な空間を引き立てています。ケンナさんは、MITSUI HOME PREMIUMのアンバサダーでもあります。静謐な情景を詩的に切り取ったモノクローム写真は、1回のシャッターに数時間かける長時間露光を駆使することも。日本では、東京・乃木坂の〈ギャラリー・アートアンリミテッド〉が窓口です。代表のギャラリスト、高砂三和子さんは、ケンナ作品を目当てにする熱心なコレクターが多くいると話します。
「世界各地で撮影された“桟橋”の作品があるのですが、これを9点、経営されているカフェの壁に合わせて展示した方がいました。テーマを考えて複数枚飾ると、1点だけでは見えなかった世界観が、そこに生まれるのでは。インテリアにも深みが増すのかもしれません」

Photo ⒸDaisuke Akita

ギャラリーに並ぶオリジナルプリントは、写真家が定めたエディション(限定数)のみ制作されたもの。希少性が高く、所有欲をくすぐられます。また通常は、プリントサイズ、額のサイズや種類、プリントとマット(窓加工された余白部)とのバランスなど、写真家が推奨する額装仕様で展示販売されています。
「インテリアの雰囲気や壁の素材によっては、オーナー様が望まれる額装があるかもしれません。作家が意図する見せ方は尊重しますが、ご希望に応じてご自宅に合う仕様も提案させていただきます」と高砂さん。ギャラリストとしての長年の経験が、邸内の飾り方にも役立ちそうです。

特別な空間に、特別な飾り方を。

通常のケンナ作品は、すべて白黒のゼラチンシルバープリント(銀塩写真)によるオリジナルプリントですが、MITSUI HOME PREMIUMのモデルハウスでは、ケンナさん自身の監修によって三井ホームのためにプロモーション用に特別に制作された大判のデジタルプリント(非売品)を展示しています。額装形式を用いず、表面にアルミニウム、芯材に樹脂を使用した3層構造からなるアルポリックというアルミ樹脂複合パネルにダイレクトマウントされ、フローティング仕上げで壁面に飾られました。浮遊感のあるモダンでミニマルな高級感溢れる仕様が、抒情的な作風をより際立たせています。
また、MITSUI HOME PREMIUMのモデルハウスでは、その他の作家の写真や絵画作品、アートオブジェなどが、それぞれのインテリアに合わせて飾られ、上質な空間を引き立てています。ぜひご覧いただき、ご自宅にアートを取り入れるためのご参考としてお役立てください。

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