邸宅の本質を、探究する

その住まいは、色褪せることなく歴史を刻み、
いつまでも家族が快適に暮らしていける、気品と安らぎに満ちている。
人が暮らすという住まいの本質を探究し、建築の正統をきわめた邸宅「ザ・マナア」。
そこには、熟成した時を共に過ごすにふさわしい、本物の価値がある。

邸宅の本質を、探究する
邸宅の本質

広く世界に目を向けると、邸宅と呼ばれる家が数多く存在する。これらの邸宅は、それぞれの国の歴史・文化・風土に根差した建築様式を礎に、そこに住まう家族の暮らしを表現し、周囲の風景に美しく溶け込んでいる。たとえば、イタリアンルネッサンスの構成原理を継承した厳格なシンメトリーの外観を持つ「ジョージアン」。初期イギリス建築の流れをくむ急勾配の切妻屋根とハーフティンバーが特徴の「チューダー」。
緩勾配の寄棟屋根と強調された水平ラインが印象的な「プレーリー」。これらの伝統が息づく邸宅は、幾年もの時を重ねても、なぜその輝きを失わないのか。それは、長い歴史の中で確立された作法に基づき、奇をてらうことなく、環境や素材を慎重に吟味しながら、美を創造する意欲と感性によって生み出されたものだからではないだろうか。ゆえにこそ邸宅の称号を冠する住まいには、安定と調和の熟成が共通解として存在する。そして今回、邸宅の本質を見きわめる探究の過程においては、その作法や技法、さらにその精神に大きな刺激を受けることとなった。

邸宅の本質を、探究する
住まいの本質

住宅のデザインは日々進化している。新しい技術や技法、素材が次々に登場し、時流を追った斬新なデザインやフォルムが生まれ、新たなオリジナリティーを競い合っている。それは素晴らしいことである。しかし、住まいの不朽の価値というものを考えたとき、斬新な意匠だけを追求していればそれでいいのだろうか。もっと、”人が暮らす”という住まいの本質について見つめ直し、突き詰めて考える必要があるのではないか。本当に良い住まいとは何か。それは、邸宅の理に証されるとおり、時代に左右されない落ち着きと風格を持ち、時とともに味わいと愛着が深まっていく住まいのことではないだろうか。親から子へ、子から孫へと受け継がれていく悠久の「時間」を共に生き、家族の個性や暮らしが反映された、世界にただひとつの「空間」。柱や壁、床には年輪が刻まれ重厚な「質感」を増していく、決して色褪せることなく飽きることない住まい。そんな住まいこそが、かけがえのない我が家たり得るのではないか。住まいの本質を突き詰めていくと、まさに「建築の正統をきわめた邸宅」に帰結するのである。

新しい邸宅を、デザインする
“通りから見える顔”を考える

日々の暮らしは家の中だけではなく、街や社会にもつながっている。暮らしをさらに心地良くするために、街並みとともに住まいのあり方を考えていくと「ストリートスケープ」という発想に到達する。「ストリートスケープ」の発想では、家の佇まいが街並みの一部となるように考える。通りに対してファサードをどのように構えるか。通りの状況や、道幅、間口の広さなどを踏まえ、どの角度で“顔”を見せるのか。主張を抑え、融和を慎重に計算する。近隣の風景を視野に入れ、外構や植栽も含めて検討することが重要なのだ。

新しい邸宅を、デザインする
水平ラインを強調して安定感を表現する

水平方向に広がる建物には、視覚的な安定感と精神的な安心感があり、人にやすらぎを与える。たとえば外観上は高さを抑え、横幅をとり、緩勾配の屋根と深い軒が住まい全体をゆったりと覆うようにすることで、そこに水平方向の視線の広がりが生まれる。さらに、明るい色調の外壁に安定感を強調するように天然石を組み合わせ、暗色系の庇板金を効果的に配すことで、落ち着きのある重厚な佇まいが表現される。

新しい邸宅を、デザインする
軒を深くして存在感と重厚感を創り出す

帽子の印象がその縁や鍔の形状で大きく異なるように、軒の形状には水平ラインの協調以外に重要な意味がある。無論、雨風をしのぐなどの機能的価値はあるが、深い軒は精神的な落ち着きを印象づける。外に立ち、住まいを見上げたときに見える軒の意匠により、存在感や重厚感に加え、さまざまな個性を創出できるのである。

新しい邸宅を、デザインする
熟成を表現するために素材にこだわる

住まう家が時とともに年輪を重ね、風格を増していく。そんな歓びがあるのは自然素材の大きな魅力のひとつである。木、石、土などさまざまな自然素材の中から、家族と共に生き、時を重ねていくにふさわしい温もりと深い味わいのある素材を厳選する。
天然石やチーク材など、徹底的にこだわり吟味した自然素材をおしみなく、そして丁寧に使用する。その邸宅をより上品に、瀟洒な佇まいとするために。

新しい邸宅を、デザインする
素材を理解し、組み合わせによって
その特質をさらに引き立たせる

家は住まう人の個性を語る。温かな木の扉に、重厚感のある天然石の壁。素材の本質を生かした組み合わせとデザインへのこだわりは、住まう人の知性を映し出すものだ。
穏やかで気品のある表情を印象づけるためには、あえてシンプルな形状の素材を組み合わせて調和と上質感を創出する。豊かな時を過ごすにふさわしい住まいには、ディテールへの細心の配慮が必要である。

開放感とやすらぎを、創出する
住まいと家族の中心としてのリビングルームを考える

リビングルームは、家族とその生活様式を象徴する場所であり、共に暮らす歓びを分かち合える最上の場所である。全体の素材感や色、バランスに特段の注意を払うことはもとより、家族それぞれの自然でさりげないつながりが生まれるような空間設計を心がけるべきである。そこで、豊かな暮らしを育む家族のターミナルスペースとして、住まいの中心に開放的な吹き抜けのあるリビングルームを設ける。さらに、炎との無言の語らいを楽しめる薪ストーブと、そのコーナーの火影のゆらめきを演出する天然石のアクセントウォールを配すことにより、空間に情緒とやすらぎを醸成する。

開放感とやすらぎを、創出する
一戸建てならではのダイナミックな空間設計とする

空間設計に当たり、一戸建てならではのメリットを追求することはきわめて重要である。センターコアとなるリビングルームは、吹き抜けを設けて意識的に縦方向への立体的な広がりを持たせ、1・2階の窓から光が降りそそぐ明るくダイナミックな空間とする。同時に天井を高くとり、豊かな空間容量を確保する。空間を立体的にとらえることで、一戸建てならではののびやかな気持ち良さを高いレベルで具現化できるのである。また、中庭を空間の抜けとして配置することも重要だ。リビングルームや書斎に隣接して、それぞれの空間とのつながりを意識したオープンスペースを配すことで、空間の質と視覚的効果が高められる。

開放感とやすらぎを、創出する
吹き抜けを見下ろす回廊をドラマチックに演出する

吹き抜けのあるセンターリビング内に階段を配すことで、2階居室へのつながりを持たせるとともに、縦方向への開放感にリズムを与える。2階にはリビングルームを囲むように回廊を巡らして、劇場建築に見られるようなドラマチックな演出とする。また、回廊の一角にはギャラリーを設けて2階からの俯瞰を楽しむ場を設計する。ビューポイントを各所に設けることで、空間効果は一層増大するのである。

開放感とやすらぎを、創出する
生活を楽しむための「コネクティングエリア」という発想

住まいの活力の源は、ミセスの活力でもある。時を重ねた住まいにあっても、ミセスが生き生きと暮らせるために。充実した生活を楽しむための「コネクティングエリア」という発想で、キッチンやダイニングをひとつながりの空間として設計する。キッチンとダイニングは、気軽に行き来できる緩やかに独立した配置とし、その中間にミセスのアトリエとしてタタミコーナーを設える。また、その前にはデスクワークができる専用のインフォメーションスペースを設置する。「コネクティングエリア」を意識することで、家事のオペレーションは格段にスムーズになる。

開放感とやすらぎを、創出する
連続する垂直を活用し、視線を遮らずエリアを分ける

ファサードデザインにおける水平へのこだわりに対し、内部空間にあっては垂直にこだわってみる。たとえば、縦格子などの連続する垂直ラインを効果的に配して、隣接する空間を緩やかに分けてつなげる。また、通常は個室として独立させる寝室や書斎についても、家族の気配を感じながら思い思いの時間を過ごせる、ほどよい静寂感のある空間とする。空間と空間のつながりを創造する中で、個のプライバシーを大切にしながらも、家族を身近に感じられるように配慮した設計を徹底することが重要である。

開放感とやすらぎを、創出する
邸宅のさらなる高みを目指す、「the MANOR(ザ・マナア)」

不朽の邸宅を考察するという命題に対するひとつの解答として、種々の提案を折り込んだ住まいをプランニングするにあたり、このデザインを「the MANOR」と命名する。
「MANOR」とは、イギリス史における荘園領主の邸宅を意味する言葉で、現在もなお威容を保ちながらイギリス各地に存在する。このネーミングには、「MANOR」の上品な落ち着きと穏やかさ、そして由緒正しき伝統に敬意を表し、その精神を受け継ぎながら、現代日本における邸宅のさらなる高みを目指すという想いを込めた。

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