住まいの内外がシームレスにつながる
ダイナミックな吹き抜けのLDKからプライベートプールと庭を望む邸宅
2024.10.11
30畳の吹き抜けのリビングの南には深い軒のかかったテラスとのびのびと泳げるプールが続き、 北にも芝生の庭が広がるKさんご夫妻の住まい。緑に包まれるように立つシンプルで美しい建物を爽やかな風が吹き抜けていきます。
(モダンリビング 2024年11月号 No.277掲載 / 取材・文:酒井 新)
内外を貫くタイルの壁が美しいアクセントに
5年前にも三井ホームで住まいを新築したご夫妻。ご両親をそばに呼びたいとその家を譲り、近くに土地を探して新たに建てることにしました。今度もパートナーは三井ホームです。ただ1軒目はクラシカルなスパニッシュスタイルでしたが、新しい家は趣を変え、直線を生かしたシンプルでモダンなデザインを楽しむことにしました。イメージは、アメリカ西海岸の丘に立つ邸宅です。ご夫妻から連絡を受けたのは前回の家づくりでもデザインチームを取りまとめた営業担当者。異なるテイストの家づくりになることから、ご要望のモダンなデザインを得意とする設計者とインテリアコーディネーターを選抜して新たに専任チームをつくり、設計の検討に入りました。ご夫妻からは本格的なプールを設けること、リビングは吹き抜けにして30畳以上の広さを確保すること、海外の事例を参考に建物のアクセントとして内外を貫く大きなタイルの壁が欲しい、といったご要望が示されました。
デザインチームが提案したのは、敷地のほぼ中央に5m超の天井高をもつ吹き抜けのリビングを設け、それをコアに東西南北に魅力的な空間を連続させるプランです。南側にはテラスとプール、北側にもテラスと芝生の庭をつなげ、東西両翼にはエントランスとダイニングをそれぞれ配置。テラスに臨む南北の大きな開口部が空と豊かな緑を取り込みます。また、南のテラスには大きく軒を出して屋外用のソファを置き、プールの周囲にもゆったりとしたスペー スを確保して、泳ぐだけでなく水辺の時間を楽しめるようにしました。インテリアは西海岸ならではの白をベースに、奥さまとインテリアコーディネーターがそれぞれの箇所ごとに多数のサンプルを吟味しながら決めていったもの。床から吹き抜けの上部までダイナミックに立ち上がり内外を貫くタイル壁は、ご夫妻の意向を汲み取りながら決められ、差し色にした上品なブルーは、プールのタイルと照らし合わせながらセレクトされました。
西海岸の爽やかな風が似合うK邸。くつろぎにあふれた住まいです。

階段と一体となったエントランスホール。ガラスの手すりでさらに広がりが演出されている。
室内でも外を感じ、外にいても室内のような落ち着きがある

キッチンはワークトップや収納扉ダイニングテーブルを同じ素材でそろえインテリアに溶け込ませた。

南北に大開口を設けフラットにテラスとつなげたリビング。ロータイプのソファを採用することでさらに大きな広がりを感じさせている。正面のアクセント壁は、内外を同じグレーのタイルに。

窓まわりに凹凸を付けて陰影をつくり奥行きを強調した外観。厚みのあるグレーのタイル壁がシンプルな建物の美しいアクセントに。

外壁はスノーホワイトの吹き付け仕上げ。プールは半透明のフェンスを立てプライバシーに配慮した。横を進むアプローチを植栽で緑豊かに演出。
