ニュースリリース

2017.06.19
木造枠組壁工法による緩和ケア複合医療施設完成
介護を必要とする高齢者を対象に様々なサポート提供をするために低層のサービス付き高齢者向け住宅棟・クリニック棟・デイケア棟を1つの敷地に集約

アンド・アース

三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区 社長:市川 俊英)は、グループ会社である三井ホーム北海道株式会社(本社:札幌市東区 社長:田口 修)が建築する緩和ケア複合医療施設「恵庭コミュニティービレッジ ピッセ」が平成29年6月23日に北海道恵庭市に完成することをお知らせいたします。

「恵庭コミュニティービレッジ ピッセ」の配棟模型
「恵庭コミュニティービレッジ ピッセ」の配棟模型

総務省の調べによると2016年に日本の高齢者人口(65歳以上)は3461万人(総人口比27.3%)に達し、2025年には、3657万人(総人口比30.3%)に達すると予測されています。今後、ますます高齢の単身者や夫婦のみの世帯が増加すると予想され、介護を必要とする高齢者が自宅など住み慣れた場所で安心して暮らせる環境を整備することが喫緊の課題となっています。
本プロジェクトは、「在宅緩和ケアの推進」と「高齢者が最後まで安心して暮らせる場所の提供」を目的として、事業主が自ら所有する北海道恵庭市の約22,000㎡のうち約6,000㎡を開発し、サービス付き高齢者向け住宅棟、クリニック棟、デイケア棟の3棟を1つの敷地に集約する形で計画したもので、北海道内において、希少な緩和ケアセンター的機能を有した複合医療施設となります。
事業主(医療法人社団:緩和ケアクリニック・恵庭)の柴田 岳三理事長※1は、「高齢者にとって住み慣れた木造建築物と木のもつぬくもりは、心身のケアにつながる」との想いから3棟全て木造での建築を希望し、医療施設系建築の経験を豊富にもつ弊社グループの三井ホーム北海道(株)が受託いたしました。
弊社グループは、空間創造の柔軟性と豊富な経験によるコンサルティング力、並びに高い耐震性や断熱性等を評価され、これまでに4500棟を超える医療・福祉施設建築に携わってきました。今後もこれまでの経験を活かし、さらに技術や品質を進化させ、地球環境と人に優しい木造による医療・福祉施設建築に努め、社会に貢献していきます。

  • ※1 北海道における緩和医療の先駆者として、2010年緩和ケアクリニック・恵庭を開設。恵庭市を拠点に訪問診療など一般在宅療養患者の支援をはじめ、がんや難治性疾患などによる辛い痛みに対する症状の緩和ケア(ホスピスケア)、セカンドオピニオンを含めた治療法や治療場所などの各種相談に応じている。本物件では、広い敷地を活かし在宅で24時間緩和ケアを提供できる医療・看護・介護施設に加えて、サ高住を整備することで緩和ケアセンター的複合施設を目指した。

1. 建物概要

建築地
北海道恵庭市白樺町3丁目22-1、23-1、24-1
建築主
医療法人社団 緩和ケアクリニック・恵庭
施設名称
恵庭コミュニティービレッジ ピッセ
施工者
三井ホーム北海道株式会社
設計者
三井ホーム北海道株式会社
敷地面積
高齢者住宅棟 3386.85㎡(1024.52坪)
クリニック棟 1639.67㎡(469.0坪)
デイケア棟 921.50㎡(278.75坪)
建築面積
高齢者住宅棟 667.04㎡(201.77坪)
クリニック棟 167.12㎡(50.55坪)
デイケア棟 251.69㎡(76.13坪)
延床面積
高齢者住宅棟 997.54㎡(301.75坪)
クリニック棟 244.65㎡(74.01坪)
デイケア棟 251.69㎡(76.13坪)
階数
高齢者住宅棟・クリニック棟 2階建 / デイケア棟 平屋
建物用途
サービス付高齢者住宅26室、クリニック、デイケア
工法
木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)
工事工期
2016年11月~2017年6月

2. 物件の特徴

外観は、雄大な北海道を感じさせる敷地に対して、伸びやかな低層のファサードと、連続窓により水平ラインを強調したシンプルなデザインとし、隣接した森や周囲の風景になじむようホワイトとブラウンのカラーで統一しました。

サービス付高齢者住宅棟
サービス付高齢者住宅棟
クリニック棟
クリニック棟
デイケア棟
デイケア棟

各棟のインテリアは、全体として木のぬくもりを感じてもらえる空間とするため、やわらかな色調の木製の各種建具を採用。メインの床も木調とし、腰壁や壁・天井のアクセントにも木目調デザインを取り入れました。サービス付き高齢者向け住宅棟では、26室全ての居室に落ちついた木目のアクセントウォールを取り入れています。また、デイケア棟については、各室に様々な色柄を取り入れ、明るく楽しい雰囲気となるよう配慮しました。

サ高住 受付(パース図)
サ高住 受付(パース図)
サ高住 居室(パース図)
サ高住 居室(パース図)
サ高住 食堂(パース図)
サ高住 食堂(パース図)
アクセントカラーを用いたデイケア棟内部
アクセントカラーを用いたデイケア棟内部

3. 大規模施設系建築における木造のメリット

当社の木造枠組壁工法(プレミアムモノコック構法)は、木造ならではの木のぬくもりを持つとともに、再生可能資源である木材を使用した地球にやさしい工法であり、十分な耐震・断熱性能を備えています。また、鉄筋コンクリート造(RC造)と比べ建物自体の自重が軽いため、杭及び基礎工事のコスト削減が図れる等の理由からトータルコストがRC造で建築するよりも一般的に約15~20%抑えられます。さらに木造枠組壁工法は、高い断熱性能により室内の急激な温度変化により生じるヒートショックを防ぐことができ、健康面での効果も期待できます。

4. 本プロジェクトの今後の展望

本プロジェクトにおいて、事業主は将来的に、自身が所有する22,000㎡全体を使用し、介護を必要とする高齢者が多世代と共生し、社会と関わり合う包括的コミュニティーの場をつくることを理想としています。そのため、残りの所有敷地約16,000㎡に小規模多機能施設※2、サービス付き高齢者向け住宅、戸建賃貸住宅の新設等を計画し、街ぐるみのケアシステム構築を目指しています。

  • ※2 小規模多機能施設は、利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、利用者の選択に応じて、施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問」を組合せ、家庭的な環境と地域住民との交流の下で日常生活上の支援や機能訓練を行うための介護施設です。

以上

【参考】木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)による医療、介護・福祉施設建築実例紹介

東京都足立区 特別養護老人ホーム
東京都足立区 特別養護老人ホーム
160室 延床面積 9,773 ㎡(2,956 坪)
国内最大の木造枠組壁工法 5階建て建築物
(1階RC造、2階~5階木造枠組壁工法) 2016年築
神奈川県鎌倉市 有料老人ホーム
神奈川県鎌倉市 有料老人ホーム
70室 4階建て耐火建築
延床面積 2,384.02㎡(721.16 坪) 2015年築
山口県山口市
山口県山口市
医院(泌尿器科)延床面積 240.18㎡(72.65坪)
医院(耳鼻咽喉科)延床面積 178.45㎡(44.90坪)
歯科医院 延床面積 116.72㎡(35.30坪)
薬局 延床面積 86.54㎡(26.17坪) 2002年築
茨城県つくば市
茨城県つくば市
医院(内科、循環器内科・整形外科)
延床面積 297.28㎡(89.92坪) 2010年築

アンド・アース」ロゴについて
三井不動産グループでは、グループのロゴである「アンド(アンド)」マークに象徴される「共生・共存」、「多様な価値観の連繋」の理念のもと、グループビジョンに「アンド・アース(アンド・アース)」を掲げ、当社グループのまちづくりが常に地球とともにあることを認識し、人と地球がともに豊かになる社会をめざしています。
アンド(アンド)」マークの理念とは、これまでの社会の中で対立的に考えられ、とらえられてきた「都市と自然」「経済と文化」「働くことと学ぶこと」といった概念を、「あれかこれか」という「or」の形ではなく、「あれもこれも」という形で共生・共存させ、価値観の相克を乗り越えて新たな価値観を創出していくもので、平成3年4月に制定されました。

本件に関するお問い合わせ先

三井ホーム株式会社 広報部 広報グループ : 03-3346-4649

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